まず、4月に土台ができている学級です。この場合、やるべきことはシンプルです。4月にやってきたことを丁寧に確認しながら、少しずつ子どもに委ねていくことです。
ここで重要なのは、「緩める勇気」です。できている学級ほど、教師が抱え込み続けてしまうと、子どもの主体性は育ちません。むしろ、「ここは自分たちでやってごらん」と余白を渡していくこと。ルールを一部あえて緩める。任せる範囲を広げる。そうすることで、学級は次の段階に進みます。
一方で、「うまくいかなかった」と感じている学級です。この場合は、焦って前に進もうとしないことが重要です。やるべきことは1つです。
4月に本来やりたかったことを、もう一度やり直すことです。挨拶、返事、靴揃え……こうした学級の核となる行動を絞り込み、「まずここだけは徹底しよう」と再設定する。
そして、できたことを認めながら、少しずつ広げていく。立て直しとは、一気に変えることではなく、土台を再構築することです。
信頼関係が崩れかけている場合は…
そして、もう1つ重要なケースがあります。それは、子どもとの信頼関係が崩れかけている場合です。このとき、最もやってはいけないのは、無理に好かれようとすることです。必要なのは、「好かれること」ではなく、「誠実であること」です。
決めたことは守る。守ってほしいことは、丁寧に、しかしぶらさず伝え続ける。「これはダメだ」ということは、感情ではなく、誠実に示す。この積み重ねが、もう一度信頼をつくります。
また、強く乱れる子どもに対しては、過剰に追いかけないことも重要です。すべてをコントロールしようとすると、関係はさらに崩れます。まずは学級全体の土台を整えること。その中で、少しずつ関係を回復していく。順番を間違えないことが大切です。
ここまで見てきたように、GW以降の学級は、4月の積み重ねによって大きく姿を変えます。うまくいかなかったことは問題ではありません。その状態をどう扱うかが問われているのです。
4月とは、完成を目指す時間ではありません。関係をつくる時間です。そして5月は、その関係の上に、学級を動かし始める時間です。



