Z世代に正論は1ミリも届かない。SNS時代に「共感」を求める世代に、戦争、政治、震災…重い話題を届けるための「意外な入り口」

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戦争の当事者が世を去るにつれて、若い世代へ向けた「記憶の伝承」は課題となっています。情報過多な現代で、記憶を伝えていくためには何が必要なのでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)
2025年12月、伊藤忠商事の元社長で、中国大使も務めた丹羽宇一郎氏が老衰のため逝去しました。丹羽氏は、戦争が痛みを伴った「記憶」から「記録」へと変質し、リアリティが欠如していくことに強い危機感を抱いていました。1月28日には、『Z世代は戦後初めて銃をとる世代になるかもしれない』が発売されました。丹羽氏の最後の著作となる本作は、未来を生きる若い世代に向けて平和へのメッセージを託した一冊です。
しかし、現代のSNS空間では、丹羽氏が危惧していた「重い現実」は届きにくくなっています。マンガ化・ドラマ化もされた小説『プロパガンダゲーム』著者の根本聡一郎氏に、前編の記事に続き、情報操作の危うさと、正論が届かない時代の伝え方について聞きました。

政策の対立軸なき「キャラクター選挙」

Z世代は戦後初めて銃をとる世代になるかもしれない
『Z世代は戦後初めて銃をとる世代になるかもしれない』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

『Z世代は戦後初めて銃をとる世代になるかもしれない』で丹羽先生は、日本人にとって戦争は記録上の歴史となってしまったと指摘しています。田中角栄元首相がかつて警鐘を鳴らした、「戦争を知らない世代が政治の中枢となったとても危ない時代」が今まさに到来していると警告しています。

僕が2月の衆院選を見ていて感じたのは、「リアリティの欠如」はSNSという装置によって加速するという点です。

選挙は本来、政策を議論する場であるべきです。しかし、今回の選挙では、与野党の第一党が元来とは異なる主張を始めたことで、政策に明確な対立軸が見えにくくなりました。

自民党が物価高対策として、「食料品の消費税0%」(時限的措置)という踏み込んだ経済策を打ち出した一方、中道改革連合も、政権担当能力を示すため安全保障や原発政策で現実的な姿勢を強めたからです。

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