卵に限らず、コレステロールを含む食品の摂取を制限する必要はないと判明したことから、厚生労働省は、それまで定めていたコレステロールの摂取基準を「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で廃止しました。
飽和脂肪酸の摂取量を適度に減らす
それより大切なのは、コレステロールの合成を促す成分を避けることです。その代表が飽和脂肪酸で、その逆に、コレステロールの合成を高めないのが不飽和脂肪酸です。
卵1個にはコレステロールが約200㎎含まれています。しかし、卵の脂質は半分以上が不飽和脂肪酸なので、食べてもコレステロール値が上がる心配はほとんどありません。
イカ、タコ、イクラなども同じです。また、魚に含まれるEPAとDHA、亜麻仁油やオリーブ油、サフラワー(紅花)油、そしてナッツ類に含まれる油も不飽和脂肪酸です。
これに対して牛肉、豚肉の脂は大部分が飽和脂肪酸です。
牛乳とバター、生クリーム、アイスクリームなどの乳製品、パンや焼き菓子、もちろんハンバーガーやフライドポテトなどのファストフードにもご用心。さらに、スナック菓子やチョコレート、インスタント麺にはほとんどコレステロールが入っていませんが、飽和脂肪酸が豊富です。
日本で暮らす日本人と、ハワイに移住した日系人、そしてアメリカ本土に移住した日系人を調査した研究からは、飽和脂肪酸の摂取量も、総コレステロール値も、日本から遠ざかるにつれて高くなり、これにともなって心筋梗塞をはじめとする心臓病の発症率が上がることが確かめられました。
日本を離れて欧米式の生活習慣になじむにつれ、心臓病の発症率が高まるということです。
ただし、飽和脂肪酸を徹底的に避けるのは問題です。飽和脂肪酸には脳出血を防ぐ働きがあるため、現在の摂取量を3分の2程度に抑えれば十分でしょう。

