DHAは中性脂肪だけでなく悪玉LDLも減らします。でも善玉HDLは減らしません。中性脂肪は悪玉LDLを小粒にして酸化を促すので、こうして中性脂肪が減れば動脈硬化が起きにくくなるわけです。
日本人は伝統的に魚を多く食べてきたので、悪玉LDLバスのお客さんがリノール酸とアラキドン酸からEPAとDHAに変わり、動脈硬化を防いでくれていると考えられます。
日本人4万人を対象にしたコホート研究では、EPAとDHAの摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループとくらべて、心筋梗塞に代表される心臓病の発症率が40%も低くなっていました。
世界で心筋梗塞に最もなりにくい日本人でも、魚の摂取量を増やせば心筋梗塞の危険がさらに下がるということです。EPAとDHAの効果は欧米人でも確かめられており、現在、欧米を含む世界数十カ国で、魚に含まれる不飽和脂肪酸を濃縮した脂質異常症治療薬が使われています。
日本人の魚離れは進んでいる?
日本では昨今、魚離れが叫ばれていますが、実際のところはどうなのでしょうか。
世界23カ国に住む2万7000人を対象に実施された消費者意識調査があります。2024年に公表された結果を見ると、魚を週2回以上食べると回答した人の割合が最も多かったのはポルトガルで49%、次いで日本の45%で、スペイン、ノルウェーが続きました。
意外にしっかり食べていると言えそうですが、近年はEPAとDHAが多いサバ、イワシの代わりに、サケ、マグロなど、EPAとDHAが比較的少ない魚が好まれるようになったことで、EPAの1日摂取量は1975年をピークとしてじりじり下がっています。
魚を食べて動脈硬化を防ごうと思うなら、これではだめです。
と言っても深刻に考える必要はありません。サプリメントを飲まなくても、背中の青い魚なら1日50g食べれば十分です。EPAとDHAは魚の皮や血合いにも豊富なので、塩焼きや煮つけはきれいに食べてください。
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【卵やイクラは心配ない?】
