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叱られると「反発してしまう人」と「受け入れられる人」の決定的な違い――ハーバード准教授が教える自尊心の本質

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オーナーシップとは?
現代社会では、オーナーシップを持ちにくいといわれています(写真:webweb/PIXTA)
  • 内田 舞 小児精神科医、ハーバード大学医学部准教授、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長
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このように、自分の提案が受け入れられる体験を重ねていくと、子どもたちは「自分の意見は聞いてもらえる価値がある」と感じるようになります。その結果、子どもたちのオーナーシップを培うことにつながると考えています。それは小さな失敗の経験も含めて、です。

子どもたちも持つ「失敗する権利」

親としては、子どもたちが選択したことについて、「それはうまくいかないんじゃないかな」と思うと、つい子どもたちの言動を制して、親自身が正しいと思う別の選択を押し付けてしまいがちです。

確かに、子どもが小さいうちは危険を冒さないように親が止めなくてはならない状況はあるとはいえ、実は、子どもに選択権を受け渡してもいい場面も多くあります。

そして、人にはそれぞれ「失敗する権利」があるのです。

失敗する権利とは、うまくいかないかもしれない状況でもチャレンジする権利、そして結果が「失敗」に終わっても、その失敗に向き合う権利です。

たとえ失敗することになったとしても、「これは自分で判断したい」「親の意見とは反対だ」と子どもが思うことはあります。

親は子どもが失敗しないように、子どものためを思って一生懸命考えた選択を勧めますが、考えてみれば自分の選択も他人の選択もその場では正しいかどうかわからないことのほうが多いでしょう。

どんなにその人のためを思って真摯(しんし)に考えたアドバイスであっても、そもそもそれが当たっていない可能性も十分あり得るのです。

自分が幸せになる権利や失敗する権利が奪われる立場になってしまった場合を考えてみればわかるはずです。

一度しかない自分の人生に関して、「私はこうしたい」と考えて自分自身で選択することの「許可」を自らに与えることはとても大切なこと。そして、チャレンジした結果、「この選択は失敗だった」と思うことがあっても、それも自分の人生と捉え、またそこから将来の可能性を信じてオーナーシップを持つことが、自分の人生を生きることなのだと思います。

悪いことが起きるかもしれない。苦労するかもしれない。でも失敗したら失敗したで、その事態に対応するのもその人の人生。そうやって手放すことも、その人の幸せを望む者の務めの1つではないでしょうか。

もし悪い予感が当たってしまっても、その人は失敗を経験したことで次のステップを考えることでしょう。

子どもたちにはどんな状況であっても自分のことは自分で判断し、それを主張していいと感じてもらいたい。「親に言われたから」という他人任せの姿勢では得ることができない自己肯定感を持ってほしい。

そのために、日常の小さな決断や問題解決に、子どもたちも参加させ、子どもたちの考えを聞き、アイデアを募り、ともに決断していけるよう意識しています。

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【ありのままの自分を肯定する力】

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