かつての私は物欲が強く、当時の仕事部屋はモノであふれかえっていた。
増える一方だったのは本とレコードで、壁2面はすべてレコード、本はいたるところに積み上げられているような状態だった。
しかも「買えば満足」だったりもしたので、 “買ったけれど読んでいない本”や“買ったのに聴いていないレコード”がたくさんあったりもした(意味がない)。
だが、そんな環境で過ごしていたら、いつしか自分の内部で妙な違和感が肥大化していくのを感じるようになった。
好きな本やレコードに囲まれているのだから、本来なら快適であるはずだ。
ところが、どれだけモノが増えても心地よくはなれず、それどころか「はたして俺はなにをやっているのか?」という妙な思いに苛まれるようになったのだった。
捨てるべきものを捨てる
そこであるとき、モノを減らすことにした。
「いつか必要になるかもしれない」という“根拠のない思い”を排除し、“数年後、本当にこれを必要とするだろうか?”と冷静に考え、「いらないだろうな」と感じたものはどんどん処分したのだった。
まだ、“断捨離”とか“ミニマリズム”などという流行語ができる前のことである。
その結果として行き着いたのは、
①無駄なものは捨てるべき
②でも、ミニマリストにはなれない(なるべきではない)
ということだった。
モノを減らす場合、「すべて捨てる」など極端な発想へ進んでしまいがちだ。
しかし、やってみて感じたのだが、それは無理な話である。
無駄は省くべきだが、それでも「自分にとって大切なもの」はあるからである。
だから『手放して、輝く「捨て活」: 人生を変えたいなら、まず1つ捨てなさい』(ETSUKO 著、東洋経済新報社)の「まえがき」にも強く共感したのだった。
そこには、「自分の大好きなモノは、持っているだけで幸せな気持ちになり、生活に彩りを添えてくれる」旨の一文があったからだ。
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【100あるうちの10個を捨てる】

