危険なコンビ、新入社員を「情報漏洩の加害者」に変えてしまう"昭和おじさん"の無自覚すぎる日常
新入社員は最初こそ戸惑うものの、やがて「会社ってこういうものなのか」「上司や役員からのチャットには、ツールを問わず即レスするのがマストなんだな」と誤学習していきます。
こうして、公式のログが残らないシャドーコミュニケーションが部署の標準となり、誰もその異常性を疑わなくなります。
そうすると何が起きるのか。ここで直撃するのが、現在猛威を振るっている「新型CEO詐欺(偽社長詐欺)」です。
社長や役員を装って業務連絡と称し、従業員に直接アプローチをかける手口ですが、直近の2026年4月にも深刻な事件が報道されたばかりです。
社長名義のメールで「今後の業務連絡のため、社内専用のLINEグループを作成してほしい」と指示され、それを信じ切った社員が、結果的に詐欺師の指定口座へ3840万円もの送金を行ってしまいました。
筆者のところにも、筆者の会社名と同名の会社の社長を装ったこの手の詐欺メールが頻繁に届いています。スルーしていると、「時間がないので急いでください」などと催促してくるのです。そして、LINEに誘導し、緊急送金が必要だと指示してきます。

普段からコンプライアンスを守り、公式ツールのみで業務を行っている部署なら「社長が個人のLINEグループを作れだなんておかしい」と即座に異変に気づきます。
しかし、「とりあえずLINEで」「イレギュラーな指示は直接チャットで」という現場の悪い慣行に染まりきった部署では、この異常な指示に対する免疫がありません。
「社長からのチャットには即レスしなければ」という焦りだけが先行し、巨額の資金流出というトラブルを引き起こしてしまうのです。
「20年間これで問題なかった」が基幹システムを止める
現場のベテラン社員のパソコンのモニターには、よく各種システムのパスワードが書かれた付箋が堂々と貼られています。勤怠管理も営業支援ツールもクラウドストレージも、すべて同じパスワードです。
新入社員が「パスワードは使い分けたほうがいいと研修で習いましたが……」と切り出しても、「いちいちそんなの覚えてられるか。20年これでやってきて問題になったことないだろ」と一蹴されてしまいます。


















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