メジャーに行くなら「鍛えるべきは野球だけではない」 MLB国際スカウトが指摘《いま"評価される"高校球児》の条件
28年間で培った、多くの選手・指導者・保護者との交流そのものが財産となっている。
10代で2年間、高校生活を送りながらアメリカで野球に打ち込むことは得がたい経験である。大屋さんならではの視点から、さまざまな助言を送ってきた。近年は大屋さんと同じように学生時代から留学する形で渡米を目指す選手も少なくない。
例えば、高校時代からメジャー志向が強かった菊池雄星選手との交流が記憶に残っている。
「投手として長生きするためにはまず、日本で頑張ってほしい。そうすれば球団は君を優先して使ってくれる。アメリカはいいが、日本とは野球が違う。精度の高い球が必要だ。だからまずは日本で頑張れ」と伝えたところ、次の日に「日本で頑張ります」と返事が来たそうだ。
学童野球時代に出会った少年がコーチとなって再会
筆者は10年ほど前に富山県で大屋さんを取材したことがある。
富山市内で講演後、野球関係者から「少年野球チームの練習を見てほしい」と頼まれ、翌日早朝に小学校のグラウンドに出向いて練習を見守り、アドバイスを送った。そのフットワークの軽さに驚いた記憶があるが、大屋さんは「こういうご縁こそが大切」と話す。
「野球がもっと盛んになってもらいたいと思います。また、MLBのスカウトが目の前に現れて話をする。そういう機会があると、小学生だったとしても、ずっと覚えていてくれます。後に再会して『僕、大屋さんと会ったことあるんですよ』と言われたこともあります」
28年間、まき続けてきた種が、実を結んでいたと気づかされる機会が増えてきた。奈良県の過疎地で出会った小学生が、近畿地区で高校野球のコーチとなり、再会した。「あのとき教えてくださったことを今、高校生に教えている」と言われ内容を聞くと、「間違いなく、自分の言ったことだ」とわかり、嬉しく思った。




















