〈カリスマ夫妻の決断〉コーエーテクモ"承継計画"の全貌 徹底した数字管理、驚異の投資術…後継者は「襟川流経営」を伝承できるか
ヒット産業であるゲームビジネスは収益の浮き沈みが激しいが、09年の光栄とテクモの統合以降、コーエーテクモHDが通年決算で営業減益となったのは2回のみ。営業利益率も、近年は3~5割と業界内でも高い水準を維持する。堅実経営を支えているのが、徹底した数字の管理だ。

現場のクリエイティビティが重視されるゲーム業界では、予算やスケジュールの管理に苦労することも少なくない。とくに近年は、開発期間が長期化し、開発費も膨張したことでプロジェクト管理の難易度が高まっている。発売直前の開発中止や発売延期による巨額減損の計上、発売にこぎつけても投資を回収できず赤字に終わるケースも増えている。
コーエーテクモの場合、タイトル別の収益性は徹底的に管理される。企画段階から繰り返し審査が行われ、営業利益率30%が期待できないとなれば、そのタイトルの開発は中止となる。
背景には、陽一氏の実家の家業だった染料問屋での倒産経験がある。多額の不渡り手形が倒産の一因となった苦い過去の教訓は、自己資本比率約9割という強固な財務体質にもつながっている。「数字は厳格に管理しないといけない。品質、納期、予算を許容範囲内に収めることが、プロデューサーのいちばん大切な役割だ」(陽一氏)。
驚異の資産運用で高利益率を導く
クリエイターでありながら、ビジネスの視点を併せ持つ人材を育成するために、新卒採用を重視。毎年200人以上を採用している。育てた優秀な人材を定着させようと、福利厚生にも並々ならぬこだわりがある。






















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