NTTドコモFOMA終了で3G完全停波、ガラケー依存の高齢者が直面するスマホ移行の壁と社会インフラの分断

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筆者の母親も70代でガラケーからスマホに乗り換えたが、それは脳梗塞による長期の入院がきっかけだった。普段は電話で子供や孫たちと連絡を取り合っていたが、病院では携帯電話が使える場所と時間が限られている。リアルタイムのコミュニケーションが取りにくくなったことから、まずはAndroidタブレットをガラケーと併用させ、タブレットでLINEの操作を教えた。

退院後にガラケーをスマホに移行してもらったものの、操作方法(画面のタッチ、アプリの操作)にかなり手間取り、慣れるには半年以上かかった記憶がある。

しかし社会インフラの動きを見ると、日常生活はスマホを使うこと前提に進んでいる。通信利用動向調査を見てみると、スマホをインターネット利用端末として挙げる割合は9割程度に達しており、とりわけ20~40代ではほぼ100%に近い。家族や友人との連絡は携帯キャリアの電話や携帯メールではなく、LINEなどSNSのメッセージ機能・通話機能が標準になった。

高齢者向けの調査でも家族との連絡にスマホアプリを使うことが増えたと答える人が年々増加しつつあると報告されている。ガラケーでも一部のスマホアプリのサービスは利用できるものの、機能や操作性も制限されている。

「スマホありき」で進む社会インフラ

キャッシュレス決済の普及を見ても、スマホが社会インフラとして日常的に使われていることがわかる。経済産業省の発表によると、2000年代初頭には1割程度だったキャッシュレス決済の比率が、2024年には42.8%に達した。これは政府が掲げた「2025年に4割程度」という目標を前倒しで達成している。

また決済額ベースで見るとQRコード等のコード決済も利用率は1割弱まで増加した。日本の社会も「現金だけでも何とかなる」から「キャッシュレスが前提の場面が増えた」のである。

店舗側の導入状況を見ても、中小店舗でのQRコード決済対応が急伸し、地方の商店街でも「現金・クレジット・QRコード」が標準装備になりつつある。自治体のポイント還元事業や地域クーポン配布も、専用アプリやQRコード読み取りを前提とするケースが増えており、「スマホを持っているか、持っていないか」で受けられる恩恵に明確な差が生まれ始めている。

もはやスマホを持たないという選択は支払い手段や行政サービスへのアクセスでも不利な状況になりつつあるのである。

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