平均1300万円を奪うSNS投資広告型詐欺、老後資金を増やしたい心理につけ込む手口と放置の構造とは

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インターネットの普及は、本来、民主主義における情報流通と参加の裾野を大きく広げる契機となるはずだった。誰もが意見を発信し、多様な視点に触れ、熟議を通じて意思形成に関与できる環境が整う――我々はそんな世界を夢見ていた。

しかし現実には、SNSをはじめとするプラットフォーム上では、短い言葉で即時的に反応を示すコミュニケーションが主流となり、アルゴリズムは感情的な反応を喚起しやすい言説や、単純で分かりやすいメッセージを優先的に拡散する傾向を持つ方向に進化した。その結果、支持や共感の「数」が過度に強調され、議論の質よりも反応の量が政治的影響力を左右する構図が強まっていった。

現代の民主主義は「熟議による合意形成」ではなく、「可視化された支持の競争」つまり人気投票的な様相へと傾斜し、ポピュリズムが進行。その結果、多くの社会の分断が進んでいった。他者を「敵」とみなし、それを叩くことが一番簡単に支持を多く集める方法だからである。そう考えると、アメリカでも、我が国でも選挙のたびにその手法が採られていることに気付くのではないだろうか?

まずは、詐欺広告の実態を明らかにしよう

DD2030は、ふたたび民主主義をアップデートし、短絡的な言葉ではなく、熟議の上の結論を求める成熟した民主主義を求める活動だということだ。現在のところ任意団体だが、近い将来一般社団法人としての登録を目指しているとのこと。

そのDD2030の取り組みとして、まずは被害額が多く、台湾の成功事例がある有名人なりすまし詐欺広告の撲滅に取り組もうというわけである。

アクションは2つのルートから行われる。

DD2030が取り組む有名人なりすまし詐欺根絶のプロセス
DD2030が取り組む有名人なりすまし詐欺根絶のプロセス(画像:DD2030)

まずは、『ストップ詐欺広告』β版のリリースである。このサイトでは一般の人が詐欺広告を通報することができる。通報は検索可能で、可視化され統計ダッシュボードとして閲覧できるようになっている。

テスト運用の1週間で、約100件の詐欺広告が通報された
テスト運用の1週間で、100件超の詐欺広告が通報された(画像:DD2030)

今後、AIを利用した分析・ラベリング、一次スクリーニング・関係部署への振り分け、自動検知・通報などの仕組みを実装していくとのこと。

現時点では通報したところで、対策されるわけではない。しかし、まずは可視化して、データを集め、関係省庁に訴えるための情報収集が必要だというわけだ。

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