平均1300万円を奪うSNS投資広告型詐欺、老後資金を増やしたい心理につけ込む手口と放置の構造とは

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まず、「市民熟議」からアクションを開始したのだ。無作為抽出した協力者の中から、人口構成に合わせてさまざまな背景を持つ人を447人を選び出した。彼らが中立的な専門家が作った資料を読んで知識をインプット。その後にスタンフォード大学のオンライン審議プラットフォームを使ってグループ討論、最終的に専門化と対談し意見を集約した。その結果、85%以上がプラットフォーム規制強化に合意し、わずか4カ月で「詐欺犯罪被害防止条例」を成立させた。プラットフォームは広告主確認を実装しなければならず、詐欺を知った時点から24時間以内に削除する義務があり、違反ごとに最大1億台湾ドル(約4.6億円)の罰金と、ISPに命じてアクセス速度を低下させるトラフィック管理も可能とした。また台湾国内に法律代表者を置くことも義務化した。その結果、台湾はSNS型投資詐欺を約1/30に(年間約30億~70億台湾ドルを、約1億~2億台湾ドルに)することに成功したのである。

インターネットの登場で、民主主義は進歩すると思ったのに

今回、DD2030が提案するのは、まずどんな詐欺が、どこにあるのかの情報収集をしようということだ。一足飛びに対策が行えるわけではない。しかし、政府もプラットフォーマーも動いてくれないなら、市民の側から議論を立ち上げなければならない。

今回のプレス発表は、DD2030主催で行われた
今回のプレス発表は、DD2030主催で行われた(写真:筆者撮影)

今回提言を行ったのはDD2030代表の鈴木健氏と、慶應義塾大学教授で憲法学者の駒村圭吾氏。鈴木氏は、複雑系科学と自然哲学を専門とする博士(学術)で、東京大学特任研究員。もともとDD2030は安野貴博氏が立ち上げたものだが、安野氏がチームみらいを立ち上げることとなり、政治的には中立であるべきDD2030から離脱することになったため、鈴木氏が引き継ぐことになった。鈴木氏はスマートニュースの共同創業者、現会長でもある。

現在、世界の民主主義は冷戦時代と同じレベルにまで低下してしまっているという。

現代の民主主義は冷戦時代と同じレベルに低下している
現代の民主主義は冷戦時代と同じレベルに低下している。世界を繋ぐと思ったインターネットが分断を促進するとは皮肉なことだ(画像:DD2030)
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