ランチ759円「オリーブの丘」が格安イタリアン市場に走らせる激震、"絶対王者"サイゼリヤを猛追できる「ならでは」の理由
さらに、「すき家」や「ゼッテリア」といった自社ブランドとのドミナント(特定エリアに高密度で店舗を集中)出店によって、物流効率を高められる点も見逃せない。単体の業態としてではなく、グループ全体でコスト構造を最適化できる点に、「サイゼリヤ」との決定的な違いがある。
両者の最終的な勝負は、単なる低価格ではなく、価格に対してどれだけの満足度を提供できるかにある。いわば「コストパフォーマンス」の戦いである。この勝負において優位性を発揮しうるのは、「オリーブの丘」ということができるだろう。
店舗差「17倍」を覆すゼンショーの出店戦略
ただ、忘れてはならないのは、「サイゼリヤ」と「オリーブの丘」の間には約17倍の店舗差があるという事実である。この差をゼンショーHDはどのように埋めるのか。カギを握るのは、同グループが得意とする業態転換である。
ゼンショーHDは「ココス」や「ビッグボーイ」といった多様なブランドを展開しており、膨大な既存店舗網を有している。市場の変化に応じて不採算店舗を「オリーブの丘」へと転換できる機動力は、ゼロから立地を開発する競合とは一線を画す。
実際、「オリーブの丘」は「ビッグボーイ」からの業態転換による出店も多い。この既存店舗網を起点とした出店戦略こそが、「サイゼリヤ」の牙城を脅かす要因となるだろう。
ゼンショーHDにとって、傘下の「ジョリーパスタ」の存在も大きい。この業態はパスタ専門店としてトップの店舗数を誇る。価格帯は1500円から2000円でやや高めだ。一方、「オリーブの丘」は「サイゼリヤ」に対抗する形で、徹底した日常食のポジションを担う。
この「高低二段構え」の布陣を敷くことで、ゼンショーHDはイタリアン市場を上から下まで包囲しようとしている。単一ブランドで戦う「サイゼリヤ」にとって、この多層的な攻勢は極めて防ぎにくい。
さらに、「サイゼリヤ」が自社専用の食材開発や独自のオペレーションを垂直方向に深掘りしてきたのに対し、ゼンショーHDは「はま寿司」で培ったITのノウハウや、「すき家」で培った物流網を水平方向に掛け合わせている。その結果、外部環境の変化に対応しながら、低コストかつ効率的なオペレーションをスピーディーに構築できる。





















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