ランチ759円「オリーブの丘」が格安イタリアン市場に走らせる激震、"絶対王者"サイゼリヤを猛追できる「ならでは」の理由
「サイゼリヤ」は値上げを回避するため、定期的に食材やメニュー構成の見直しを行っている。直近では26年2月にグランドメニューを改定し、オペレーションの高速化を目的にパスタの種類をさらに絞り込んだほか、セット販売による客単価の向上のため、野菜メニューを強化した。
しかし、品質を維持し続ける難易度は確実に高まっている。リニューアルのたびに、「ハンバーグの肉の旨味が弱くなった」「メニューの絞り込みによってかつての人気商品が姿を消した」といった声も聞かれる。
「サイゼリヤ」が支持されてきた理由は、安いからではない。安くて質が高いからこそ選ばれる店になってきたのだ。だが、このバランスを維持する難しさが徐々に表面化しつつある。
サイゼリヤが直面する構造的なジレンマ
一方で、同じく単一業態で成長してきた企業は、異なる道を選び始めている。「鳥貴族」や「串カツ田中」は値上げに踏み切るとともに、業態のポートフォリオを広げている。前述のように串カツ田中が「PISOLA」をM&Aしたのもその一例だ。こうした動きによって、食材調達やオペレーションの効率化、コストコントロールの高度化を図っているのである。
単一業態を極限まで磨き上げるモデルは、高い効率性を実現してきた一方で、外部環境の変化に対する柔軟性には限界がある。原価上昇などの圧力に対して、取りうる手段は限られてしまう。その結果、値上げか、さらなるメニューの絞り込みかしか残されない。
しかし、いずれの選択も顧客離れのリスクを伴う。ここに、現在の「サイゼリヤ」が直面する構造的なジレンマがある。
「サイゼリヤ」が単一業態で効率を極限まで高めてきたのに対し、「オリーブの丘」はゼンショーグループの総合力を背景に持つ。購買・製造・物流・販売を一体で最適化するMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)により、低価格と品質の両立を実現する基盤がすでに整っている。
実際、ゼンショーHDは「はま寿司」において、ライバルの回転ずしチェーンが100円商品をやめる中でも提供を続け、業界2位へと躍り出た。また、「すき家」では同業他社が値上げに踏み切る中であえて値下げを行い、価格戦略で業界をリードしてきた実績を持つ。こうしたノウハウを背景に、「オリーブの丘」もまた、価格競争において強みを発揮できる可能性がある。





















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