ランチ759円「オリーブの丘」が格安イタリアン市場に走らせる激震、"絶対王者"サイゼリヤを猛追できる「ならでは」の理由

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「オリーブの丘」が勝負しているのは、これとは異なる。客単価1000円前後の格安イタリアンだ。この領域は現在、「サイゼリヤ」の独壇場といっていい。同社は客単価を800円台に抑え、「値上げをしない」戦略を貫くことで、インフレ環境下においても支持を集めてきた。国内に加えて中国でも好調だ。

その勢いは業績にも現れている。25年8月期の決算では、売上高は前期比14%増の2567億円、営業利益は同4%増の154億円と、いずれも過去最高を更新。直近の四半期となる26年8月期第1四半期(25年9〜11月)も、増収増益の力強い成長を続けている。

「サイゼリヤ」の店舗数は25年11月時点で1717店舗にのぼり、そのうち国内は1060店舗を占める。一方、「オリーブの丘」は約60店舗にとどまっており、現時点での差は大きい。しかし、その差を踏まえてもなお、「オリーブの丘」は「サイゼリヤ」の牙城を揺るがす可能性を秘めている。

実は「オリーブの丘」は、「すき家」「はま寿司」「ゼッテリア」などを展開するゼンショーホールディングスが自社開発したイタリアン業態だ。単一業態で効率化を進めてきた「サイゼリヤ」と、ゼンショーHDとしてグループ全体の力で戦う「オリーブの丘」との間には、運営・経営形態の大きな違いがある。

なぜ、この違いが競争力の差につながりうるのか。その前提として、ファミリーレストランがたどってきた歴史を押さえておく必要がある。

ファミレスがたどってきた歴史の因果

かつてのファミレスは、全世代をターゲットに、和洋中を網羅する幅広いメニュー構成を強みとしてきた。しかし、売上高に対して家賃や人件費、食材といったコストの占めるウェートが重い業態であることに加えて、網羅的なラインナップが食材管理やオペレーションの複雑化を招き、コストコントロールを難しくしていた。

その弱さが顕在化したのが、デフレ下での価格競争である。当時は価格競争の激化に、生活様式の変化や単身世帯の増加といった要因が重なり、従来のビジネスモデルでは収益を確保しにくくなっていった。

実際、すかいらーくホールディングスは、主力業態であった「すかいらーく」から「ガスト」への業態転換を進め、メニューの絞り込みやセルフサービスの導入などを通じて、低価格路線へと舵を切った。その結果、デフレ下において一定の競争力を発揮し、シェアを拡大していく。

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