日本の「備蓄」は本当に足りているのか?ホルムズ海峡の危機で問われるリスク対応

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(写真:ブルームバーグ)

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃によって、中東石油搬出の要とも言えるホルムズ海峡は事実上封鎖された。原油価格も一時、「1バレル=100ドル」を大きく超え、120ドル近くまで跳ね上がって、世界中が大きく揺れ動いている。IEA(国際エネルギー機関)は3月11日、加盟国による計4億バレルの協調放出を決めた。

そんな状況で、政府は急遽「石油備蓄」の放出を決めた。昨年の「備蓄米」に続く放出になるのだが、LPGのように石油とは仕組みの異なる備蓄もある。そもそも、政府が法律や制度に基づいて、民間企業にも義務付けたり、備えを促したりしている備蓄品には何があるのか。国際的な標準ともあわせて、その種類や量、備蓄コストなどを検証してみたい。

国や民間の備蓄にはどんなものがあるか

法律や制度で定められている国や民間の備蓄には、どんなものがあるのか。まずは簡単に紹介しておこう。

①石油・石油ガスの備蓄……いわゆる「石油備蓄法」に基づいて、原油などについては、民間の石油企業に70日分の備蓄義務が課されている。これに国家備蓄、産油国共同備蓄を合わせると、2025年末現在、民間が101日分、国家が146日分、産油国共同備蓄が7日分となっており、国内需要の「254日分」に相当する石油備蓄がある勘定になる。

量的には官民合わせて約4.7億バレルになるが、今回のホルムズ海峡危機では、とりあえず政府は、原油や石油製品の民間備蓄の保有義務を70日分から55日分に引き下げることで15日分を市場に回し、さらにこの3月下旬には国家備蓄の1カ月分の放出も予定している。ロイター通信の報道によると、日本の放出量は合計約8000万バレル、45日分の供給量に相当する。

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