日本の「備蓄」は本当に足りているのか?ホルムズ海峡の危機で問われるリスク対応
各国の放出量は、IEAの3月15日公表資料によると、アメリカが1億7220万バレル、日本が約8000万バレル、韓国が2250万バレル、ドイツが1950万バレル、イギリスが1400万バレルなどとなっている。IEA加盟国32カ国が、それぞれの備蓄状況に応じて緊急放出を進める方針になっている。4億バレルというのは、IEA加盟国全体が保有する政府備蓄約12億バレルの約3分の1に相当する量で、これだけの量を短期間に放出することで、原油価格の高騰を防ぐ狙いがあると思われる。
日本にとって本当に必要な備蓄とは何か?
日本は周知のように、エネルギーと同時に小麦などの食糧も大半を輸入に頼っている。今後は、エネルギー比率の割合を見直して、化石燃料に依存しない方法に大きくシフトするべきだろう。また国家備蓄の中には、米と小麦と飼料用穀物もあったが、それ以外は民間企業や輸入先に依存している部分がある。日本は本気で食料の備蓄増強や自給率の向上を目指すべきかもしれない。
例えば、中国が台湾侵攻と同時に、日本を実質的に海上封鎖のような形で包囲してしまえば、石油はもちろんだが食糧や医薬品の供給も細ることになりかねない。農林水産省なども、不測時の食料シミュレーションで、米やいも類の増産を織り込みつつ、平時とは大きく異なる食生活を想定している。
昨年、米が高騰したときには、国民は代わりにパンやうどん、そばを食べたが、小麦の供給が止まれば日本の食卓が深刻な打撃を受けることになる。米も2025年には政府が増産へかじを切る動きが出た一方、その後も生産抑制を含めて議論が揺れている。本当にそれでよかったのか疑問が残る。
ホルムズ海峡封鎖は、まだ始まったばかりなのかもしれないが、時間がたてばたつほど日本経済に大きな影響をもたらす。今回ばかりは「有事の円買い」にならなかったのも納得できる。エネルギーの大半を輸入に頼っている日本にとって、その影響は計り知れない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら





















無料会員登録はこちら
ログインはこちら