日本の「備蓄」は本当に足りているのか?ホルムズ海峡の危機で問われるリスク対応

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方LPGは、輸入業者である民間が約52日分、137万トン。政府による国家備蓄分が51日分、139万トン。合わせて103日分がプールされている。原油等とは事情が異なるが、官民合わせて約3カ月分を確保している計算になる。

ちなみに、これらの備蓄コストとしては、2026年度当初予算案で、国家備蓄石油および国家備蓄施設の管理委託費に約468億円、石油備蓄事業補給金に約260億円が計上されている。

食料備蓄の内訳

②食料備蓄……食料安全保障の観点から、農林水産省の制度に基づいて、米や小麦、飼料穀物などが備蓄されている。米については、政府備蓄米の適正水準は約100万トンとされている。なお、26年度予算では、政府備蓄米の運営に加え、民間備蓄のあり方を検証する実証的な取組も盛り込まれている。

小麦については、外国産小麦が需要量の約2.3カ月分、約90万トン程度確保されている。政府備蓄が約1.8カ月分、民間在庫(流通在庫)が約0.5カ月分という構成だ。農林水産省の資料によれば、日本の外国産食糧用小麦の輸入先はアメリカ、カナダ、オーストラリアの3カ国で99.8%を占めており、万一今回のようにシーレーンが大きく混乱すれば、パン、中華めん、菓子、うどんなどの材料は大きな影響を受ける。ちなみに、小麦は米と異なり、政府が一度輸入してから製粉会社などに売り渡す仕組みをとっている。2026年4月以降の政府売渡価格は、前期比2.5%増、1トン当たり6万2520円となっている。

飼料穀物については、とうもろこし、マイロ(ソルガム)、大麦など家畜の餌として使う飼料穀物については、民間備蓄が約100万トン程度ある。さらに、海上輸送中の飼料穀物も約100万トン存在しており、合わせて約2カ月程度のストックがあるとされる。その間に代替輸入先への切り替えを図る考え方だ。ちなみに、令和8年度の農林水産関係予算は総額約2兆2956億円となっている。

③医薬品備蓄……経済安全保障やパンデミックに対応するために、あらかじめ政府が備蓄目標を定めているものに医薬品がある。厚生労働省や内閣府が進めている備えだ。

次ページ抗インフルエンザ薬やワクチンは?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事