日本の「備蓄」は本当に足りているのか?ホルムズ海峡の危機で問われるリスク対応
もともと地震大国の日本では備蓄などの意識が高いが、今回のホルムズ海峡封鎖のような地政学リスクに対して、日本の備えは世界的には十分だったのか。例えば、中東情勢の緊迫化に対応して、国際エネルギー機関(IEA)は、加盟国に対して「前年の石油純輸入量の90日分」の備蓄義務を課している。主要国・地域の備蓄水準を見ると、日本や韓国は200日超と厚い一方、インドは20〜25日程度、オーストラリアは30日程度にとどまると報じられている。中国も大規模な戦略備蓄を持つとみられているが、IEA非加盟国で、備蓄量の詳細は公表されていない。
日本は世界でもトップクラスの石油備蓄国家であることがわかるはずだ。自国で生産できない非エネルギー産出国としては当然と言える。EUや中国のように陸続きで輸送手段を複数持っている国とは違い、海上輸送が主流の日本の課題の裏返しともいえる。なお、中国はIEA非加盟国だが、大規模な戦略備蓄を維持しているとされる。
EU全体では、70~90日分程度の石油備蓄に加え、天然ガス備蓄の重要性も高い。ロシアがウクライナに侵攻して以降、ガス貯蔵施設の充填率を90%まで高める目標が導入されたが、現在は到達期限を従来の「11月1日まで」から「10月1日~12月1日の間」に広げる形で運用が見直されている。国によって貯蔵量のキャパシティーに違いはあるが、ある程度の備蓄は維持されているとみられている。
各国の放出量はどれほどか
ちなみに、今回のホルムズ海峡封鎖では、IEA主導で合計「4億バレル」という史上最大規模の協調放出が決定された。4億バレルという数字は、戦前にホルムズ海峡を通っていた日量約2000万バレルで割ると、およそ20日分に相当する。世界の海上石油貿易の大動脈であるホルムズ海峡の流通量が、戦争によって大きく減少したことを受けて決定された。全体の約72%が原油、残り28%はガソリンやディーゼルなどの石油製品で構成されている。





















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