人工衛星100万基で宇宙にAIデータセンター構築へ、イーロン・マスク構想に懸念が広がる背景と問題点
AIデータセンターを軌道上に構築しようと計画している企業は、SpaceXの他にも複数ある。たとえばGoogleは、2025年11月に81基のネットワーク化された衛星コンステレーションによる「Project Suncatcher」を発表している。このプロジェクトは主にコンステレーションを成す各衛星の制御や、10Tbpsクラスの光衛星間リンクの技術検証、高性能チップやメモリーに対する宇宙放射線の影響調査、コスト評価などを行い、将来の軌道上データセンターの実現可能性を探るもので、2027年に2基のパイロット衛星を打ち上げることを計画している。
Googleのスンダー・ピチャイCEOはFox Newsに対し「10年もすれば、軌道上のデータセンターがより一般的なデータセンター構築方法になっていることは間違いないだろう」と述べた。
一方、AIチップ・GPUメーカーのNVIDIAは3月16日に「AIを軌道に乗せる」ためのプラットフォームとしてNVIDIA Space-1 Vera Rubinモジュールを発表した。このモジュールに搭載されたRubin GPUは「NVIDIA H100 GPUと比較して、宇宙空間における推論処理において最大25倍のAI演算能力を提供」し、データセンタークラスのAIを大規模に提供し、大規模言語モデルや高度な基盤モデルを宇宙空間で直接動作させる能力を持つとNVIDIAは説明している。
さらにNVIDIAはこの発表で、Aetherflux、Axiom Space、Kepler Communications、Planet Labs PBC、Sophia Space、Starcloudといった宇宙ベンチャー企業が、同社の高速コンピューティングプラットフォームを活用して、軌道上AIデータセンターや、地上環境を含めた次世代宇宙ミッションを推進すると発表した。特に、Sophia Spaceは、軌道上AIデータセンターの太陽電池パネルと一体化した独自開発の冷却機構を開発しており、注目を集めている企業だ。
ちなみに、日本ではJAXAが技術開発テーマとして軌道上データセンター構築技術の開発・実証を民間企業に公募し、今年1月に株式会社SpaceBlastがその実施機関として採択されている。
今後の展望
軌道上AIデータセンターは、地上のAIデータセンターが抱える電力問題への解決策になる可能性がある。とはいえ、技術・コスト両面でまだ課題もあり、不透明な部分がある。実現にはなお多くのハードルがあるものの、SpaceXだけでなく世界各国でいくつもの企業が研究開発を行っており、今後の技術進展と実証結果が注目される。
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