とはいえ、ネットは距離やコミュニケーションの概念を変え、経済構造も大きく変えた。単純化すれば、大きなポイントは「中抜き」と「ネットワーク外部性」の2つだ。
例えば、ネットショッピングが街の書店や小売店を縮小させ、ネット広告やネット媒体が紙の広告や媒体を縮小させた(中抜き)。利用者が増えるほどプラットフォームの価値が高まるネットワーク外部性では、グーグルやアップル、メタなどの米巨大テックの寡占を生んだ。
ただ、この激動を冷静に見ると、ネット革命の多くは経済の「内部」での価値再配分であり、新しい財(モノ)はほとんど生んでいないことがわかる。アマゾンで購入される商品は、書籍を筆頭にネット以前から存在していたものだ。
つまり、ネット革命の中核はデータの複製・配信コストの劇的な低下にあり、主な効果は既存取引の再編と無形サービスの拡大だった。物的な新しい付加価値の大量創出ではなかった。製造業や資源・エネルギーといった実物経済の付加価値を直接増やさなかったことが、GDP成長率を押し上げなかった根本的な理由と言える。
AIの三段階発展──LLM、LAM、そしてLSMへ
これに対し、AIはどうか。PKSHA Technologyの上野山勝也代表取締役は「AIはLLM(大規模言語モデル)、LAM(大規模行動モデル)、LSM(大規模科学モデル)という流れで発展している」と三段階発展説を唱える。
上野山氏は言う。「LLMによるChatGPTなどに続き、LAMは、デジタル空間ではエージェントとして相当なことができるようになった。次にリアル空間でのLAMとしてロボットという巨大マーケット(フィジカルAI)が眠っている」






















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