賃上げは「コスト」か?「投資」か?春闘でバレる「経営者の頭の中」
私は、人材が持つスキルや能力を「消費する経営」と「伸ばしながら活かす経営」を区別して考えています。
前者、つまり人材を「消費する経営」の会社では、人材はどこかで「会社の持ちもの」のように扱われます。
会社が育て、会社が使い、会社の都合に合わせて動かす。すると、発想の中心は自然と「管理」になります。
どれだけ効率よく働かせるか。どれだけ無駄を減らすか。どれだけ人件費を抑えるか。
こうした会社では、賃上げもまた「コスト増」として映ります。
必要だから上げる。しかし本音では重い負担だと感じている。だから、賃上げ以外の施策は最小限にとどまりやすいのです。
人材を「投資」と捉える会社の特徴
一方で、人材を「投資」として捉える会社は、「発想の出発点」が違います。
人材を「投資」と捉える会社は、まず「理想の姿」と「現実のギャップ」を見ます。自社は中長期的に何を実現したいのか。そのために、今どの人材が足りず、何が弱く、どこにリスクがあるのかを明確にするのです。
そのうえで、人材施策を組み立てます。採用、配置、育成、評価、報酬の仕組みを、経営戦略とつなげて考える。つまり、「人事のための人事」をやめるのです。
ここで重要なのは、賃上げもこの文脈の中で位置づけられることです。
たとえば、事業ポートフォリオの転換に必要な人材を確保するための賃上げ。高度な専門人材を惹きつけるための報酬設計。将来の管理職候補が挑戦しやすくなるような処遇の見直し。
こうした設計ができていれば、賃上げは「単なる支出」ではありません。「将来の競争力をつくるための投資」になるのです。





















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