賃上げは「コスト」か?「投資」か?春闘でバレる「経営者の頭の中」

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給与袋を持つ男性のイメージ
「賃上げ」をどう捉えているかによって、その企業の価値を測ることができるといいます(写真:freeangle/PIXTA)
国内外5000社以上の人的資本開示情報をすべて読み込み、「人的資本経営専門家」として活躍する田中弦氏。
その田中氏が、「人的資本経営」の全ノウハウを解説した『5000の事例から導き出した 「人的資本経営大全」ー日本企業最後の伸びしろ』は、日本の人事部「HRアワード2025」書籍部門・優秀賞を受賞するなど、大きな話題を呼んでいる。
その著者の田中氏が、「賃上げは"コスト"か?"投資"か?春闘でバレる『経営者の頭の中』」について解説する。

賃上げの議論で見落とされる本質

今年の春闘は、一斉回答日を経て、大企業を中心に満額回答が相次ぎました。賃上げは「できるかどうか」ではなく「どこまで上げるか」が問われる局面に入っています。

『5000の事例から導き出した 「人的資本経営大全」ー日本企業最後の伸びしろ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

報道でも、賃上げ率や波及効果が大きなテーマになっています。もちろん、それ自体は重要です。

しかし、人的資本経営の観点から見ると、もっと重要な問いがあります。

それは、その会社が人材を「コスト」として見ているのか、それとも「投資」として見ているのか、ということです。

たとえば、同じ賃上げでも、「採用が厳しいから仕方なく上げる」「離職されたら困るから一時的に対応する」という発想で行うのと、「今後の競争力に必要な人材を引きつけ、伸ばし、活かすために行う」のとでは、意味がまったく違います。

前者は「防衛策」です。後者は「成長戦略」です。

人材不足が深刻化する時代には、この差がそのまま企業の差になります。

賃上げの金額だけを議論していても、本質は見えてきません。「賃上げをどう位置づけるか」で、経営の質が見えてくるのです。

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