幸田さんは79年に入社し、ラリーを中心としたモータースポーツ用エンジン開発ひと筋の人物。
「ランサーターボ(通称ランタボ)」時代からWRCにかかわり、そしてパリダカ現場経験が豊富である彼が発する「もちろん」という言葉には、深みを感じる。
一方、池田さんは少し冷静だ。
「三菱は、比較的小さな集団であることから、一人ひとりの担当範囲が広く、全員でカバーしながら協力してモノづくりをしています。その姿勢が、(入社時の)クルマのことを広く知りたいという自分の欲求にマッチしていました」
そして、「自動車メーカーの中でも新技術にいち早く挑戦し、(エンジン振動を抑える)バランサー、(直噴技術の)GDI、量産型EV、PHEVなどの実績があり、そこに根付く気概が好きだと感じています」と言う。また「やろうと思えばやりたいことを実現できる社風がある」と三菱を評価している。
もっとクルマの本質を知るべきではないか
池田さんは、国立大学の物理学類を卒業し2013年入社。クルマという“実物”をもっと理解したいと、三菱所有のヘリテージカーを復刻する社内レストア活動に参加した。
通常業務では、車両レイアウト計画グループで居住性や運転姿勢、操作性、荷物の積載性や機能、整備性、組み立て性、衝突安全性などさまざまな要件を考慮し、部品レイアウトとデザインの両立を担当。
それらの作業が机上での検討に終始する中、「もっとクルマの本質を知るべきではないか」というモヤモヤが頭の片隅にいつもあった。
だから、自分で直にクルマを触り、同時に三菱の歴史を理解したいという思いから、社内でのレストア活動に参加したのだ。
そのレストア活動での師匠が、幸田さんである。
幸田さんは「私がこれまでの経験を1からしっかり教えようと話す中で、熱心にメモを取る人がいました」と、池田さんとの出会いを振り返る。
彼女の「学ぼう」という真剣な姿勢が気に入り、池田さんは幸田さんの三菱人生のおけるモータースポーツ用エンジン開発「最後の弟子」の候補となった。





















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