「遺伝はタブーではなく事実」最新のDNA研究が突きつける"能力差の現実"
遺伝はタブーではなく、事実である
長いあいだ、行動遺伝学は知識人社会の中で微妙な立場に置かれてきた。「遺伝決定論」「現代の優生学」のレッテルを貼られるぞと脅され、正面から議論されるよりも、距離を置かれることのほうが多かった。
不思議なのは、批判の多くが「遺伝だけではない」「遺伝を強調すると差別につながる」と警告するだけで、では遺伝とは何か、遺伝の影響をふまえて人間と社会の問題が新たにどのように解き明かされるのかを真正面から問おうとしなかったことである。まるで遺伝という概念そのものが危険物で無視すべきものであるかのように扱われてきた。
その背景には、行動遺伝学の祖とされるフランシス・ゴールトンが優生思想を提唱し、その思想が歴史の中で悲劇的に利用され、こんにちでも欧米で特に知能の人種問題をめぐって泥沼の論争を繰り返してきたという事実がある。だからこそ、遺伝を語ること自体を避ける空気が生まれたのだろう。
しかし、科学はこの10年で決定的に進んだ。





















無料会員登録はこちら
ログインはこちら