開業時から「ヨーカドーで買えるものしかない」と言われていた…埼玉にある「百貨店が根付かなかった街」の本質理由

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・2002年:「春日部駅付近連続立体交差事業促進期成同盟会」設立

・2005年:着工準備が採択されたが、工事はなかなか始まらなかった

・2013年:東西自由通路の設置を求める請願が市議会に提出されたが、賛成少数で不採択

市議会にて、賛成派の意見は「いまだ進捗のめどが立たない状況に多くの市民が困り果てています」。反対派の意見は、「連続立体交差事業は中心市街地の活性化などさまざまな問題が抜本的に解決できる唯一の事業。現時点では自由通路よりも早期着工を優先すべき」。結局、賛成少数で不採択となった。

否決されたのは、より抜本的な解決策を優先する判断だったとも言える。しかし「唯一の事業」が動き出したのは、そこから6年後の2019年だ。完成は2032年を予定している。

2013年の否決から数えると、分断はさらに19年延長されることになった。その間に、西武百貨店は閉店した(2016年)。

東西を結ぶ地下道の入口(東側)。自転車も通行できるようになっている(写真:筆者撮影)
春日部
東西を結ぶ地下道の入口(西側)。西口の方が栄えているからか、入口も華やかだ(写真:筆者撮影)
春日部
駅の西側は商業施設や市役所などがあるエリアになっている(写真:筆者撮影)
春日部
西口のカフェチェーン店(写真:筆者撮影)
東口にもしんちゃんの姿が。西口よりもこぢんまりとしている(写真:筆者撮影)

市民が嘆いたのは「西武の閉店」ではなかった

西武百貨店が閉店した2016年、市民意識調査が行われた。不満足度の1位は「魅力ある中心市街地の創出」(41.6%、全70項目中ワースト)だった。一方、「駅周辺に欲しい施設」の1位は金融機関、2位はスーパー。百貨店への言及はなかった。

「地域活性化に必要なこと」でも、1位は商店街の振興(46.9%)。大型商業施設の誘致は3位(27.5%)にとどまった。自由記述にも、西武百貨店の閉店を惜しむ声はほとんど見当たらない。対照的に、イトーヨーカドー春日部店の閉店(2024年)を惜しむ声は10件以上にのぼる。

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