東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #イランショック 国際秩序の激動

イラン情勢で日米安保条約の「極東条項」について広がる誤解。「中東は極東でない」から在日米軍が使えないわけでない現実

11分で読める 有料会員限定
2/5 PAGES

自衛隊がイラクに派遣されていた2004年11月4日の参議院外交防衛委員会では、町村信孝外相が極東の範囲を、①国際的平和・安全の維持という観点から日米両国が共通の関心を有する地域、②アメリカが日本の施設・区域を使用して武力攻撃に対する防衛に寄与し得る区域、③フィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であって韓国・台湾を含む、と整理。その上で、極東に対して武力攻撃が行われるか、極東の安全が周辺地域に起こった事情のため脅かされる場合、米国がこれに対処するために取る行動の範囲は①~③に限られないと答弁した。

このように、極東に関する政府解釈は1960年から2000年代まで変わらなかったが、15年に日米が締結した「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)で、その地理的制約が撤廃され、極東の範囲を国会で追及する時代は終わった。

アジアを守るためだけに存在していない在日米軍

アメリカのフォックス(FOX)ニュースは3月13日、佐世保基地に所属する強襲揚陸艦トリポリと、キャンプ・ハンセンに司令部をおく第31海兵遠征部隊(31MEU)が中東派遣を命じられたと報じた。岩国航空基地に配備されているステルス戦闘機F35Bの部隊もトリポリに乗り、作戦に参加するとみられている。

日経新聞は翌14日、このニュースをもって「中東の緊迫がアジアの安全保障に波及する懸念が深まってきた」と強調(「イラン緊迫、アジア安保に波及 沖縄駐留の米海兵隊派遣」)。だが、同記事は31MEUの役割を全然理解していない。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象