この四半世紀で女性や高齢者の就業が大きく拡大したが、その多くが低賃金の非正規雇用だ。そのため、マクロの雇用者報酬全体は緩やかに増えていても、雇用者1人当たりの名目・実質賃金は平均値が押し下げられる。この傾向は特に中年以降の世代で顕著だ。
こうした非正規雇用は、「女性は育児離職、高齢者は60歳定年で引退」といった古いライフスタイルが生んだシステムといえる。彼らが労働市場に参入しても、低賃金や非正規雇用を甘受せざるをえない場合が多い。
現在の若年世代では、女性が男性と同様にキャリアを築く共働きモデルが主流だ。逆にいえば、このライフスタイルが全世代に行き渡るまでは、実質賃金への構造的な下押し圧力は続く。
新たな産業の欠如と、労働市場の構造変化──この2つが重なり合う限り、実質賃金の本格的な反転は容易ではない。
「賃金と資産価格の20年史」で読み解く3つの時代
一方で、インフレの到来とともに大きな変化を見せたのが、株式や首都圏不動産を中心とする資産の価格だ。下図を見てほしい。






















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