子どもの4人に1人が眠れない!学力・集中力を下げる「社会的時差ぼけ」の正体と、 快眠を導く「スマホ・お風呂・昼寝」のコツ

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「その学校は、睡眠時間が少ない児童が非常に多かったんです。そこで、苦肉の策として『すっきりタイム』を導入し、児童たちには目をつむって机にふせて寝る姿勢をとってもらいました。リラックスできるように、カーテンを閉めて照明を消し、ゆったりとしたクラシック音楽を流す工夫もしました。

そうしたら、『すっきりタイム』導入前は5時間目にあくびをする児童が減って午後の授業で集中力が上がりました。発表の声も大きくなり、帰宅後の居眠り習慣も減少したんです。睡眠不足のため、保健室の利用頻度も月間で3〜4割減るという成果が出ました。

浅い睡眠を3分間とるだけでも、脳の回復効果はあるといわれていますし、目を閉じて刺激を抑えるだけでも脳が休まります。

『睡眠不足は子どもたちの家庭の生活習慣にも左右されるので、指導が難しい』と悩む先生は、ぜひ試していただきたいですね」

睡眠を削る勉強は網目の粗いザルに水を注ぐようなもの

冒頭で触れたように、睡眠不足は記憶や学習、ひらめき、人の心を推し量る能力に影響する。特に、学力を上げるためには、質の高い睡眠をしっかり確保することが重要だと田中氏は強調する。

「寝る前までに覚えた、知識や体の動きは、睡眠中に記憶・整理されています。勉強後はしっかり睡眠をとり、必要な記憶を脳に刻みこむことが大事です。

いくら勉強をしても、睡眠時間を削ってしまうのは網目の粗いザルに水を注いでいるようなものなので要注意です。

また、睡眠不足は、日中の眠気を増加させ、注意力、集中力、テスト中のパフォーマンスも下げてしまいます。さらに、睡眠は運動の記憶やスポーツのパフォーマンスにも影響します。睡眠は能力のフル発揮にとても大切なのです」

寝る前には明るい光を避け、頭寒足熱でリラックスして体温を下げる。起きたら明るい光を浴び、しっかりと朝食を摂る。

いずれも書き出すと基本ばかりだが、田中氏が指摘したように夜型化が進んでいる今、全部実行するのは意外と難しいかもしれない。

「『生活リズム健康法』(下図)を活用し、がんばれそうな項目△の中から、まずは、1つクリアすることから始めてみることをおすすめします。△がない場合は、〇を◎にするつもりで実行してみてください。睡眠改善は、行動してナンボです」

大人も一緒に一歩ずつ、できることから取り組むことが、子どもたちの健やかな成長につながっていくのではないだろうか。

生活リズム健康法、10のリスト
(画像:田中秀樹氏提供)
東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
高橋 秀和 ライター

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たかはし ひでかず / Hidekazu Takahashi

1973年生まれ。早稲田大学社会科学部中退。飲食店、編集プロダクションを経て独立。ビジネストレンドを中心に、IT、教育、HRなど幅広い分野の取材・執筆を行っている。

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