【10月から対策が義務化】カスハラなのか? クレームなのか? チャートで見分ける「3つの境界線」

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クレームの発生した問題の程度と比べて、顧客の要求が過度なものとは言えない、かつ、不可能でもない場合には、基準3『手段』を検討することになります。

また、たとえば、「納得するまで説明しろ」「誠意を見せろ」などと言われた場合、具体的にどう対応すべきかわからないため、要求が過度とは言い切れません。

このように、顧客の要求が過度かどうか不明な場合にも、基準3『手段』を検討することになります。

従業員の就業環境を害しているか、否か

『企業実務4月号』(日本実業出版社)。書影をクリックすると企業実務公式サイトにジャンプします

■基準3:顧客の「手段」が相当なものと言えるか?

企業側に落ち度がある等の場合でも、要求を実現するために、「暴力を振るう」「『殺すぞ』と脅す」「店に長時間居座る」といった場合は、手段が社会通念上相当とは言えず、カスハラに該当します。

それでは、手段が社会通念上相当でないとは、いかなる場合を言うのでしょうか。

次の①から⑩の場合は、たとえ要求内容が穏当なものであったとしても、手段が社会通念上相当と言えないことから、いずれもカスハラに当たります。

また、これらの場合は従業員の就業環境を害することが明らかなので、顧客が企業の説明に納得し、後にクレームを取り下げた場合であっても、カスハラに該当することは変わりません。

①殴る、蹴る、押す、つかむ、唾を吐く、物を投げるなど、従業員に対する攻撃を行う場合
②カウンターや看板をたたく・蹴るなど、設備・備品に対する攻撃を行なう場合
③暴言、脅迫、威圧的な言動を行う場合(電話、メール、FAX、SNSを介する場合を含む)
④セクハラに該当する場合
⑤退去せずに居続ける、従業員を個室等に閉じ込める場合
⑥執拗な言動をとる場合(同じ内容の苦情を一定時間以上繰り返す場合等。電話、メール等も含む)
⑦従業員のプライバシーを侵害する場合(従業員の住所、携帯番号などの個人情報を聞き出す行為や付きまとい等)
⑧謝罪の要求を何度も繰り返す場合
⑨土下座を要求する場合
⑩苦情処理担当を伝えたのに「上司を出せ」と言う場合

カスハラと正当なクレームを区別するための「報告書」等については、図表2を参考にしてください。

(出所:『企業実務1月号』より)
能勢 章(のせ あきら)*公式サイトはこちら
コンプライアンス系の法律事務所に所属した後、2012年に能勢総合法律事務所を設立。「カスハラドットコム」運営者。カスハラという言葉がない時代から対応に従事。カスハラ対策の基本方針策定から、現場での運用までの実務をカバーできる数少ない専門弁護士。著書に『「度が過ぎたクレーム」から従業員を守る カスハラ対策の基本と実践』(日本実業出版社刊)。
企業実務

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きぎょうじつむ

仕事をすすめるうえで必要な実務情報や具体的な処理の仕方を正確に、わかりやすく、タイムリーにお届けする月刊『企業実務』。経理・税務・庶務・労務の事務一切を一冊に凝縮。1962年の創刊以来、理論より実践を重んじ、“すぐに役立つ専門誌”を貫き、事務部門の業務を全面的にバックアップしている。企業実務の公式サイトはこちら

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