BBQフォークで脚を刺す…世界一のレストラン「ノーマ」シェフ辞任、告発サイトの衝撃内容 1人23万円ポップアップ直前に…

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世界の注目が集まるイベントを目前に控えたタイミングでの声明は、今回の問題に対する彼の立場を示す重要なメッセージでもあった。

そして初日を迎えた11日、さらに新たな動きがあった。レネ・レゼピ氏がノーマのシェフ辞任を発表したのだ。

また同日、「ノーマ LA」のスポンサーのアメリカン・エクスプレス社と、決済・ポイントサービスのスタートアップ企業であるブラックバードがノーマとの今回のイベントでの提携を終了すると発表した。すでに入金済だった一部は返金、また、残りの収益は時給労働者とホスピタリティ業界のプロフェッショナルを支援する団体に寄付されるという。

なぜいまになって表に出たのか

今回の問題は、ノーマという一つのレストランに限った話ではない。

高級レストランの世界では長年、シェフを中心とした厳格な上下関係や長時間労働が「修業」として受け入れられてきた。若い料理人が名店で経験を積むために無給あるいはそれに近い形で働く研修制度も、その象徴的な仕組みである。

しかし近年、こうした文化は世界的に見直されつつある。若い料理人の価値観の変化や労働環境への意識の高まりを背景に、厨房でのハラスメントや過酷な働き方に対する批判が強まっている。アメリカでは近年、レストラン業界の労働環境が大きな議論になっており、今回の報道もそうした文脈の中で受け止められているようだ。

デンマーク・コペンハーゲンの星付きレストランで2012年から3年間働いた経験を持つ、東京・虎ノ門「ラルジャン」のシェフ、加藤順一さんは、今回の報道の背景について次のように述べる。

「ノーマに限らず、世界レベルのレストランの現場では、世界レベルの店で働く覚悟の足りないスタッフは評価されず居場所もなくなることがあります。ただ、暴力が起きるのは指導者がミスの原因を言語化できない場合が多いのではないでしょうか。私自身も歴代の師匠に厳しく叱られたことはもちろんありますが、手を出されることはありませんでした。

スタッフのミスも含めて、厨房での最終的な全責任はシェフにあります。人が増えればミスやストレスも増えますが、人が増えないとシェフ自身が料理でやりたいビジョンを実現できません。そのためには、シェフ自身の一定の許容も必要と思います」

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