BBQフォークで脚を刺す…世界一のレストラン「ノーマ」シェフ辞任、告発サイトの衝撃内容 1人23万円ポップアップ直前に…

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この問題は今回突然浮上したものではない。デンマーク国内では以前から、ノーマの厨房での暴力についての報道や議論が存在し、その実情はある程度知られていた。しかしそれは主にヨーロッパの料理業界の中での話題にとどまり、広く一般の読者に共有されることはなかった。

ノーマのエントランス
ノーマのエントランス。撮影は2016年(筆者撮影)

今回、世界的なニュースとして広がった大きな理由は、ニューヨーク・タイムズが取り上げたことにある。アメリカの有力紙による報道で、この話題は一気に世界に広がった。SNSでの受け止められ方はさまざまで、告発アカウントには数多くの賛同意見がついた一方、「嫌な思い出はひとつもなく、刺激的で素晴らしい職場だった」と書くかつての研修経験者の投稿も見られた。

元スタッフによる告発サイト

今回の報道で注目されたのが、元スタッフによる告発サイトの存在だ。

「noma abuse」と題されたウェブサイトには、過去に働いたとされる人々の証言がまとめられている。そこでは厨房での厳しい叱責や心理的なプレッシャーが匿名で掲載されている。「勤務中に顔を殴られた」「苦情を言えば業界内でブラックリストに入れると脅された」、体重が減り、女性従業員の生理が何カ月も止まったという書き込みもあった。

こうした証言のすべてが事実かどうかは慎重に見極める必要があるが、少なくともこのサイトの存在は、厨房の働き方に疑問を抱く人々が一定数いたことを示している。

今回の出来事で特に注目されたのは、そのタイミングだ。

ノーマは2026年3月11日から、アメリカ・ロサンゼルスで期間限定のポップアップレストランを開催する予定で、その開幕が目前に迫っていた。チケットは1人1500ドル(約23.8万円)で、その高価格でも話題を集めていた。

日本でも、2023年と2024年の2度、「ノーマ 京都」としてポップアップレストランを営業したのが記憶に新しい。ロサンゼルスも京都も、チケットは全日程、瞬時に売り切れていた。まさにその直前のタイミングで今回の報道が世界的に広がったのである。

こうした状況を受けて、レネ・レゼピ氏はSNSで声明を発表した。

彼はすべての証言の細部を認めたわけではないとしながらも、「自分の過去の行動が人を傷つけたことは理解している」と述べ、苦しんだ人がいるなら「心から謝罪する」とコメントした。また、ここ10年ほど自らの怒りと向き合うためセラピーを受けてきたことや、現在のノーマの組織文化は過去とは大きく変わっているとも説明している。

次ページ「修業」文化が見直されつつある
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事