職場いじめで幻聴が…追い詰めた上司の言葉とは 「お母さんは悪い人と入れ替わった」と打ち明ける娘を救った"母の愛"

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確信と恐怖の混じる声。春香さんの顔色は悪く、ほとんど眠れていないことがわかります。

決してお母さんに対して憎悪があるわけではありません。これは、専門用語を使うと、「替え玉妄想(カプグラ症候群)」です。親しい人の外見は同じなのに、「中身が別人だ」と確信してしまうことをいいます。

弁当の味がしないほど、精神的に追い詰められる

なぜ、こんなことになってしまったのか。

春香さんは大学卒業後、念願だった大手食品メーカーに入社しましたが、研修を終えてから少しずつ様子が変わっていきました。

春香さんが配属されたのは、10人にも満たない小さな部署。忙しい部署で、常に誰かのため息やキーボードの音が響いています。

直属の上司は、社内で語り継がれる実績の持ち主で、数字や成果に強いこだわりを持っていたそうです。報告書のわずかな抜け漏れも許さない。「仕事は結果がすべてだ」とくり返す口調には、容赦のない冷たさがありました。

春香さんは、最初はその厳しさを「社会人として成長するための試練」と受け止めようとしていたそうです。朝早く出社して資料を整え、上司が求める内容になっているか、何度も見直す。ミスをしないよう緊張感が張りつめる毎日でした。

しかし、その「厳しさ」はいつしか、理不尽さを帯びるようになっていきます。

ミーティングで少しでも説明がつまずくと、上司の声が急に鋭くなり、会議室の空気が凍る。「こんなレベルの報告で通用すると思っているのか」と机を叩かれ、資料の束を投げ返される。

どれほど準備しても、「まだ足りない」「やる気が感じられない」という言葉が返ってくるばかり。努力は積み重ねるほど否定され、自信は少しずつ削られていきました。

同僚に助けを求めても、みんなどこかで上司の機嫌をうかがい、関わりを避ける。

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