「テレビに出ても売上が伸びるとは限らない」行列のできるたい焼き店主が重視する"流行ってる感"の正体

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一方で、さびれている店、誰もお客さんがいない店に行きたがるのはマニアックな一部の人だけだ。大半の人はそんな店に魅力を感じないし、さらには、行くのが恥ずかしいとすら思う人もいる。行列しているのは美味しいから、店が混んでいるのは魅力があるから、そんな冷静な判断をしているのではない。そこまで考えずに何となく流行っているものに引き寄せられやすい、それが人の性なのだ。

それが顕著に出るのは興行スポーツだ。以前のことだが、サッカーの「アルビレックス新潟」が、当時J2という下位のリーグながらJリーグで最多集客数を上げたことがある。実はそのとき、小学校などを通じて子供向けの招待チケットを配りまくっていたそうだ。有料であろうが無料であろうが満席になると会場は盛り上がる。次第にリピーターが増え、本当に集客できるようになったという話だ。

また、人気が低迷していた新日本プロレスを再建したブシロード社は、最初に交通広告などを中心に新日本プロレスの露出を増やしまくった。露出を増やすことで認知度を高めるのではなく、よく見かけることで流行っていると思ってもらうことが目的だったそうだ。結果、新日本プロレスは再生し、誰もがテレビでアントニオ猪木を見ていた昭和の時代以上に収益を上げるまでになった。

松坂大輔投手が生み出した「流行っている感」

僕自身も流行っている感の影響を感じたことがある。ずっと以前、埼玉県の所沢に住んでいた頃、たまに地元の西武球場に野球を見に行った。当時、西武ライオンズは強かったはずだが、本拠地の西武球場はいつも空いていてガラガラだった。ところが、松坂大輔投手の入団でそれが一転した。松坂投手見たさで球場がひとたび満席になると、松坂投手が出ない試合まで混みだしたのだ。松坂投手により「流行っている感」が生み出され、それにより登板しない日の試合まで観客を惹きつけるようになったのだ。

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