「いつ打ち合わせにしましょうか?」 目の前にいるのになぜ"チャットで連絡?" 若手の言い分と上司のため息…
もうひとつ、対面には見逃せないメリットがある。新しいアイデアが生まれやすいということだ。
画面の前に座ってチャットをしているとき、人間の視界と意識は狭い画面に固定される。しかし対面で会話しているとき、視線は空間を自由にさまよう。この「視線のさまよい」が脳の発想力を刺激し、より多く、より独創的なアイデアが生まれやすくなることが研究で実証されている。
会議室でホワイトボードの前に集まり、ああでもないこうでもないと議論する。あの場の空気感のなかでこそ、思いがけない発想が飛び出す。テキストのやり取りだけでは、こうした化学反応は起きにくいのである。
雑談はタイパが悪い?
だから実際に
「来週の打ち合わせは、いつにしましょうか?」
とメールではなく、面と向かって言われると、
「金曜日の午後5時からにしよう。あ、そういえば、先日の運動会はどうだった?」
と、事務的な返事だけでなく、突発的な発想が出てくる。そして会話が弾むものだ。
「娘さんの保育園で、週末に運動会だったでしょ? どうだった?」
「課長、覚えててくださったんですね」
「うちの娘は運動会がキライでさァ。当日大変だったんだよ」
「わかります! 私の娘も朝から泣きっぱなしで……」
このような会話はムダだ、タイパが悪い、と決めつけてはいけない。チームで仕事をしている以上、メンバー同士の関係を良好にし続けることは、とても大事だからだ。
ここまで読んで、「ではテキストは不要なのか」と思う人がいるかもしれない。もちろん、そうではない。
テキストにはテキストの強みがある。論理的な情報の伝達。記録を残すこと。相手の時間を奪わずに済むこと。これらは対面では実現しにくいメリットだ。
大切なのは「どちらか一方」ではなく「両方を使う」ことだ。




















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