有料会員限定

イラン情勢の裏で転機を迎える東アジア。首脳会談に向け配慮し合う米中に対し、頭越しの「取引」を恐れる日本と台湾

✎ 1〜 ✎ 33 ✎ 34 ✎ 35 ✎ 36
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

ただ、アメリカが中国に対して優位性を示して成功しているとの見方は「後付け」ではないかとの懐疑論も出ている。その大きな要因はトランプ氏にある。中国がアメリカ側に配慮しているように、トランプ氏も中国に配慮する言動を続けているからだ。

2月上旬に行われた米中首脳電話会談で、トランプ氏は習氏がアメリカの台湾に対する武器売却を慎重に対応するよう求めたのに対し、「台湾問題における中国の懸念を重視する」と答えた。ベネズエラやイランへの攻撃もエプスタイン問題など国内でのスキャンダルなどから世論の関心を逸らさせるためで、トランプ氏は対中戦略を念頭に入れていない可能性もある。

日本と同様に台湾も、自国の頭越しに米中間で重要なディール(例えば、アメリカが従来の「台湾独立を支持しない」を「台湾独立に反対する」などに台湾政策を変更すること)が行われる恐れに神経をとがらせている。

台湾政府関係者は筆者の取材に対し、「アメリカ政府やトランプ氏周辺には対中戦略があるのだろうが、トランプ氏に戦略はない」として、「中国はトランプ氏にのみ狙いを定めて、中国に有利な取引を成立させてアメリカの対中戦略を無効化しようとするのではないか」との分析を披露した。アメリカの国務省関係者は、イラン攻撃以降は中東情勢に注力していることからホワイトハウスがトランプ訪中に向けて準備が進んでいる状況にはないと明かした。

中国は歪曲までして日本を非難

首脳同士が互いに意識し合っている米中関係に対して、東アジアの中では関係悪化が続いている。王毅外相は前述の対米批判を控えた記者会見で、日本を激しく攻撃した。

次ページ日本は対外発信の強化が必要
関連記事
トピックボードAD