目下、モバイルの純増を下支えする要因となっているのが、携帯料金の据え置きだ。
楽天は使用したデータ量に応じた低廉な従量制プランで、長く消費者に訴求を図ってきた。一方、通信業界では25年前半以降、政府主導の料金値下げ局面から一転し、競合他社が値上げ基調になった。
そうした中でも、楽天は同9月に値上げを行わないと明確に宣言し、価格競争力が相対的に高まっている。「物価高が進む中で消費者は企業の価格姿勢を見ている。当然、新規獲得という意味では料金が安い会社に有利に働く」(ある通信会社幹部)。
業界内では、シェア縮小が続いていたドコモが24年度にモバイル通信の立て直しを本格化させ、他社からの顧客獲得に向けた販促費を大量投入するなど、競争が激化している。それでも足元では、「新規に強い楽天が一抜けしているのでは」(ソフトバンクの宮川社長)との見方が多い。
基地局の整備ペースは鈍化
楽天としては、かねて掲げてきた「1000万回線」「EBITDA通期黒字化」という課題を25年に達成した今、モバイルについて新たな業績目標は示していない。次なる注目点はモバイルの営業黒字化の時期だが、「成長スピードが速ければ速いほど、新規獲得費が大きく黒字化が遠のき、『痛し痒し』なところ」(三木谷氏)であるため、明示しづらいのが実情だろう。
実際に楽天はモバイルの顧客獲得関連費用として25年に674億円を計上し、23年(525億円)以降、増加を続けている。投下コストが契約増に直結している以上は、まだ顧客の開拓余地が広がることを意味する。市場の成熟化が進む中、従来のようなハイペースでの純増を維持できるかが今後試されることになる。
一方、楽天が目先で抱える大きな課題が、モバイル利用者の急拡大に伴う通信ネットワークの強化だ。






















無料会員登録はこちら
ログインはこちら