病床稼働率は88.1%なのに巨額赤字…「正しい医療」するほど赤字膨らむ異常事態 各病院の努力が反映される「機能評価係数Ⅱ」ランキング

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一方、②③④は個別病院ごとに異なり、②は医師や看護師の配置、臨床研修の実施など、その病院の体制面を評価するのに対し、③は診療の質や効率性、地域医療への貢献度などを評価する。つまり、③には各病院の努力が最もはっきり現れる。

③は効率性係数(在院日数の短縮努力)、複雑性係数(診療の難易度)、カバー率係数(対応している疾患の幅広さ)、地域医療係数(地域医療への貢献度)の計4つの項目の合計で決まる。

一般に低採算とされる産婦人科や小児科を廃止したり、多くの慢性疾患を抱えた多疾患併存患者の受け入れに消極的だと評価は上がらないし、難易度が高い手術をするなど、高度な医療を提供していても、それが特定の科に偏っていると評価は上がらない。

標準病院群の中には特定病院群よりも③が高い病院もあるが、4つの項目の合計は高くても特定の項目だけが高いなど、内訳に偏りがあると特定病院群には指定されない。

8年連続DPC特定病院群指定でも赤字

冒頭の「8年連続でDPC特定病院群に指定されていて、患者の平均在院日数は10日、病床稼働率は88.1%なのに巨額の赤字」の病院とは、神奈川県横浜市にある横浜市立市民病院である。

2014年以降の12年間のうち、2016年、2017年だけは標準病院群だったが、それ以外の10年はいずれも特定病院群の指定を受けている。2018年以降では8年連続である。

病床稼働率も全国平均の73.3%を大きく上回る。平日だけなら常時9割を超え、日によっては100%を超えるが、治療を行わない土曜、日曜に患者を院内に留め置かないよう、基本的に金曜日退院を目指す。このため、土曜、日曜の稼働率が極端に落ち、ゆえに通年では9割を切る。患者の平均在院日数も全国平均の15.5日に比べ大幅に短い。

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