デジタル・AI社会で変わる小売業の未来地図 英オックスフォードの世界的権威が説く小売業の革新的取り組み
また、新たな付加価値としては、エージェントとしての役割を担うことが挙げられます。消費者の「購買」に関わるあらゆるプロセス、またはその一部を代行するものです。
選べる商品が膨大となり、その商品情報も膨大となる中、その中から消費者自身にとって最良なものを最良な形で「購買」することは、非常に手間となります。その手間を代行することで付加価値を提供するプレイヤーが登場します。
消費者一人ひとりを深く理解し、その消費者にとって「最良な選択」をAIが担う時代はすぐそこまできています。多くの消費者に支持される「購買エージェントAI」は強烈な付加価値となり得ます。いずれにせよ、自社の役割を如何に変容・拡張させ、競争優位の源泉をリデザインすることが重要となります。
リアル店舗の再定義
実店舗は“単なる販売場所”ではなく新たな役割を担う必要がある。言われて久しいテーマですが、環境変化がこれまでにないスピードで進行している現在において、その必要性は増大していると考えます。
自社の提供価値×CX全体設計と、その中でのリアル店舗の役割の明確化が重要です。例えば、「これまでにない体験価値の提供」を試行する場合、ECやWebでは限界のある、リアル店舗だからこそできる体験を提供する必要があります。臨場感や一体感、五感を刺激する体験、そこでしかできない体験(プロによる実演)こそがリアル店舗でしかできないものであり価値となります。
また、「ブランドのショールーム化」においては、商品単体の訴求のための体験のみならず、店舗全体でブランドの世界観を示し、五感で感じ取ることができることが重要となります。視覚的なものに加え、嗅覚、聴覚、味覚、触覚に訴えかけるコンテンツにより、これまでにない体験を得ることで、ブランド理解の深化やファン化が促進されます。
「オンラインとオフラインの橋渡し役」となるには、いかにリアルとデジタルやチャネル間の往来をスムーズにできるかが重要です。双方のメリットを最大化し、エンゲージメントに繋げるためには、顧客中心での体験設計を実践し、リアル店舗が果たすべく機能・役割を明確化する必要があります。
ただし、購買行動は線形(AIDAモデル等)ではなくなってきており、断片化・複雑化が進行しています。SNS・友人ネットワーク・動画・ライブ配信など多種多様な接点が購買に影響していることを理解し設計することが必要です。




















