デジタル・AI社会で変わる小売業の未来地図 英オックスフォードの世界的権威が説く小売業の革新的取り組み
さらに、業界の構図もこれまでのものとは大きく変化してきています。テクノロジー企業(Amazon、Alibaba、Tencent、Google等)、物流企業、金融・決済企業、ブランドメーカーのDTC化、個人(ライブコマースインフルエンサー)、SNSプラットフォーマー、マーケットプレイス企業等、さまざまな業種が小売業への進出を遂げており、競争は激化の一途を辿っています。
もはや、小売業の境界線が急速に消失しつつあると言わざるを得ないと考えます。今後もこのトレンドは続くでしょう。そのような状況下で、小売企業はいかに提供価値を磨き上げていくかが重要となります。
テクノロジーが変える小売業の本質とゲームチェンジ
小売企業はこれからも消費者の「購買」に関わり続けますが、その関わり方(役割)を変容・拡張し、その方向性が消費者に支持されるかどうかで競争優位に立てるかが決まります。
これまでも小売業は「購買」関連でさまざまな価値提供を戦略的に打ち出してきました。例えば、EDLP戦略による低価格や、柔軟で親切な接客による快適性・課題解決支援、多量多様な品揃えによる選ぶ楽しさ、24時間営業によるいつでも買える利便性、高品質な品揃えによる安心・安全性、PB独自開発による魅力的な商品などです。
ただし、これからは、より多くの商品がこれまで以上のスピードでコモディティ化し、その商品に関するさまざまな情報に消費者が平等に接触できます。これからも消費者に支持されるためには、これまでの提供価値をさらに磨き上げるか、新たな付加価値を提供することが必要となります。
例えば、低価格という価値提供もより多くのプレイヤーとの競争となります。また、品質や独自性についても同様であり、瞬く間にコモディティ化してしまいます。DXを駆使して、これまでの提供価値をさらに進化させることは可能ですし、多くの事業者が取り組むこととなります。
その一方、DXにより新たな付加価値を打ち出す事業者も登場します。例えば、物理的距離における利便性を磨いた究極の姿は、消費者の自宅の中に店舗(在庫)がある状態です。さまざまなワインや食材を消費者の自宅に置き、消費した分だけ支払うサービスなども考えられます。




















