「推し活」がブランドを強くする…サンリオのキャラをファンと育てる"すごい仕組み"

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ブランド共創において、ファンは単なる「消費者」ではなくなります。

「今、このキャラはどんな存在か」や「これからどんなブランドに育ってほしいか」と考えるとき、お客(ファン)はいつの間にか会社側(サンリオ)の視点に立ち、ブランドの未来を真剣に思考していきます。これは、マーケティング(ビジネス)の要素でもある商品・サービスを「つくる」「届ける」「広める」というプロセスに、お客自らが参加している状態と言えます。

憧れられるブランドを目指すときの戦略

例えば、もしあなたが、高級感があって消費者から憧れられる化粧品(コスメ)のブランドを目指すとしましょう。その場合の戦略は次のようになります。

「つくる」では、そのブランドの目標に合わせ、品質が高く、値段の高いコスメを用意する必要があります。品質が低かったり、そこそこだったりする商品には、誰も憧れませんよね。コスパが良くてお買い得な商品は、ヒットしても憧れのブランドにはなれません。商品やパッケージのデザインでは、かわいらしくて親しみが持てるデザインよりも、高級感があって、すごさや格の高さが感じられるデザインのほうが、この場合はふさわしいでしょう。

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「届ける」では、品質と値段が高い商品に合った売り方を選ぶことになります。憧れのブランドを売るには、ドラッグストアやコンビニのように、便利に手軽に買える場所はミスマッチです。専門のお店をつくったり、百貨店の1階のコスメ・フロアに売り場をつくったりして、あえて「ココでしか買えない」という特別感を演出するといいでしょう。「すごいコスメ」なら、オンラインではなく、リアルのお店で専門スタッフがアドバイスや試用をしながら売ったほうがいいですよね。

「広める」でも、ブランドのイメージをくずさないよう、憧れを感じさせる広告やキャンペーンが求められます。コミカルで面白いものよりも、美しさやかがやきを強調したほうがよいでしょう。ブランドのイメージ像に合った有名人を起用したり、ターゲットのお客に合わせて、その人たちに影響力を持ったファッション雑誌やインフルエンサーを選んで取り上げてもらったりすることも大切です。

サンリオのブランド共創においても、ファンは「自分の推しキャラがどうすればもっと輝くか」を考え、SNSで魅力を広めたり、限定イベントに足を運んだりします。企業が用意した枠組みの中で、ファンが主体的にブランドの成長に関わっていくわけです。

この「自分たちの手でブランドを未来へ進めている」という当事者意識(エンゲージメント)こそが、ブランド共創マーケティングの真骨頂であり、ファンがサンリオの世界から離れられない最大の魅力となっているのです。

永井 竜之介 高千穂大学商学部教授

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ながい りゅうのすけ

専門はマーケティング戦略、消費者行動、イノベーション。産学官連携活動、企業団体支援、企業との共同研究および企業研修などのマーケティングとイノベーションに関わる幅広い活動に従事。

著書に『マーケティングの鬼100則』(ASUKA BUSINESS)、『分不相応のすすめ 詰んだ社会で生きるためのマーケティング思考』(CROSS-POT)、『リープ・マーケティング 中国ベンチャーに学ぶ新時代の「広め方」』(イースト・プレス)、『嫉妬を今すぐ行動力に変える科学的トレーニング』(秀和システム)など。

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