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俳優・山本學が感じた「認知症で衰えるのは"知の働き"だけではない」という当たり前の現実〈再配信〉

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  • 山本 學 俳優
  • 朝田 隆 メモリークリニックお茶の水理事長・院長
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山本 ホモ・サピエンスは個人の欲を抑え、個を超えて協力することを悟った種族です。でも、現代人は動物的な意思や感情を奪われて、すべてが「言葉」の奴隷になってしまっているイメージがあります。

「論破」なんかは、その典型に思えますね。そこで知を語るのは、ちょっと違うんじゃないかという違和感が拭えないんです。

「老いてなお盛ん」になるための姿勢

朝田 そうやって、クラスターの中で裸の王様になって満足するような傾向が、老若男女問わず、最近は強くなってきている印象ですね。

『老いを生ききる 軽度認知障害になった僕がいま考えていること』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

山本 僕は自分に自信がないので、自分を過剰に飾って見せたいと思ったことがなくて、いつも「学ばなきゃ」というコンプレックスにとらわれて生きています。

だから、自分の「知」だけで我を押し通そうとしている人を見ると、「世の中を知らんのだな」「世界っていうのは、あなたが思っているよりはるかに広いんですよ」と、ちょっと憐れむような気持ちになります。

愚者の自己防衛ですね(笑)。芝居の世界に入って協力の大切さを悟ったので、前頭葉が少し大きくなったんですかね。

朝田 ややもすると知ばかりが偏重される昨今ですが、そこに注目が集まれば集まるほど、「情」や「意」の価値が新たに出てくる。

そこに気づいて、これまでの経験と反省をもとに、周囲や社会とうまく調和して、情と意を活かして生き抜いていく。

「老いてなお盛ん」になるためには、こうあるべきなのかもしれませんね。

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