「発達相談を受けてみては?」——担任の言葉に戸惑う親へ児童精神科医が忠告、「普通の子」願うのは過剰期待

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それよりも、この子のすてきな個性をていねいに伸ばすことを重視してほしいと、わたしは思います。「普通に育ててきた」とおっしゃいますが、このような子は、普通よりも少し多めに手をかけてあげるのがいいのです。

図鑑を見ることが好きなんですね。花や植物に興味があるのであれば、植物園に連れていってあげたり、いっしょに植物を育ててみたりしてはいかがでしょうか。

下のお子さんがいらっしゃるようですが、ときには上の子と2人だけの時間をつくってください。大好きなお母さんと大好きな世界を楽しむことができれば、ますますその世界を好きになると思います。学校でも、植物や生き物を育てる係や委員があれば、やらせてもらえるよう、先生にお願いしてみるといいでしょう。

狭く深い世界をもてる子の強み

発達障害の傾向のある子は、非常に狭くて深い世界にのめり込む、という傾向があります。これは、本当にすばらしい個性だと思います。大人になれば誰でも、狭くて深い世界で専門性を磨いていくものです。将来を考えると、狭く深い世界をもてることが大事なのです。

でも親は、「広く浅くなんでもできて、さらにその中で1つか2つ、ものすごく得意なものがあればいい」と願いがちです。親にはそういう身勝手な面があるのですね。でも、このお母さんはわが子の狭く深い世界を理解して、応援しているのですからたいしたものです。

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「発達障害ではないか」と言われると、親は「なんとか普通の子のようにしたい」とあせってしまうことが多いと感じます。でもそれは「あなたはあなたのままではダメなのだ」と、わが子を否定することにつながります。

普通の子じゃなくてよかった、と思ってください。狭く深い「自分の世界」をもてる子であることを誇りに思ってください。

そして折にふれ、「お母さんは、バカという言葉は好きじゃないな」「授業中に大声でおしゃべりすると、先生や友だちが困るんだって」と、やさしく穏やかに繰り返し伝えていってください。それで十分ではないかと思います。

【あわせて読む↓】
「よその子と比べてしまう」親がまず見直したいのは子どもではなく自分《令和の子育てに再び響く児童精神科医の教え》
佐々木 正美 児童精神科医

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ささき まさみ / Masami Sasaki

1935年群馬県前橋市生まれ。新潟大学医学部医学科に編入学し、1966年同校を卒業。その後、東京大学で精神医学を学び、同愛記念病院に勤務。1970〜1971年にブリティッシュ・コロンビア大学に留学、児童精神医学の臨床訓練を受ける。帰国後は、国立秩父学園、東京大学医学部精神科に勤務後、小児療育相談センター(横浜市)、横浜市南部地域療育センターで児童臨床医として地域ケアに力をそそぐ。川崎医療福祉大学特任教授(岡山県)、ノールカロライナ大学非常勤教授、横浜市総合リハビリテーションセンター参与などを歴任。著書に『子どもへのまなざし』(福音館書店)など多数。2017年没後も、そのメッセージは多くの親たちを励まし続けている。

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