「営業なんて誰でもできる!?」 AI代替で仕事失った社員を「事務→営業へ」安易な配転が失敗する"致命的"理由 みずほ5000人削減から考える
「事務職の仕事の多くが不要になる」
みずほフィナンシャルグループの経営幹部が、そう明言したと報じられている。全国に約1万5000人いる事務職員を今後10年間で最大5000人減らす方針を固めた。口座開設や送金手続きに必要な書類の確認、顧客情報のシステム登録などの作業をAIに任せるという。
余剰人員の解雇はしない。店舗での個人向け営業や、法人営業向けの情報収集・分析、業務効率化支援などへの配置転換を進める。リスキリング支援も行うという。
一見、従業員に配慮した施策に見える。しかし私は、この「配置転換」という言葉に強い違和感を覚えている。そこで今回は、AIによる人員削減と配置転換の問題点について解説する。人事や経営に関わる方は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
アメリカでは解雇が加速している
まず、海外の状況を見てみよう。
アメリカでは、AIの導入を理由とした解雇が加速している。アマゾンは全世界で1万6000人の削減を発表した。AI利用拡大への対応が理由の一つだという。IBMやMetaなどのテック企業も、人員削減や採用凍結を行っている。
特に深刻なのが、エントリーレベルの知的労働への影響だ。初級のプログラマー、ファイナンシャル・プランナーの見習い、法務助手。これらの職種は、AIを駆使することで新規雇用をせずに業務を進められるようになった。
アメリカでは「ホワイトカラーには将来がない」という言い方すら広まっている。AIが得意とする定型的な知的作業は、人間から奪われていくのだ。
しかし日本では、労働法制が異なるため大規模解雇は難しい。
そこで日本企業が取る手段が「配置転換」である。人員が余っている部署から、人員が足りない部署へ異動させる。みずほの事例がまさにそうだ。事務職員を減らし、営業職などに再配置する。
理屈としては分かる。AIに置換される仕事から、AIにはできない仕事へ。人材を有効活用するという発想は正しい。
しかし、そんな簡単なものだろうか。





















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