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〈アーカイブ〉松下幸之助が1961年に語った多角化経営への強い拒否感、「自分の本業以外に手を伸ばしていくのは非社会的と思う」

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また、補聴器などは、日本ではほとんど使っていないけれどアメリカでは相当利用されている。なぜかというと、最近はみんな長生きをするようになった。いままで70歳にもなると死んでしまったのが、最近はかくしゃくとして働いている。しかし肉体的には衰えてくるから、活躍するかぎり耳が聞こえなければならん。それで補聴器が必要になるんです。

いまでこそ、日本人はアメリカ人に比べると寿命は短いが、これから先、あまり死なないようになれば、老人は老人としての働く分野も出てくる。そうすると、どうしても補聴器が普及することになる。

革新から普及の段階へ

――10年前を振り返ってみますと、いまの花形電化品はほとんどなかった。それが、現在では、スイッチ一つで洗たくできる。バタバタホコリを立てずに掃除ができる。つるべの世話にならずとも井戸ポンプで水が出るというふうに、家庭における労力は非常に節約されるようになった。それだけでなく、テレビ、ステレオなどで、茶の間にいながら、大劇場での演劇や名演奏を楽しめるようになった。10年前には考えも及ばなかった生活の向上が実現しているわけですか、この点から、さらに10年後の家庭生活を予想するとどうでしょうか。

松下:戦後15年間にみた進歩と同じような進み方をすれば、過去の10年間は、今後3年でできてしまう。10年もたてば、過去の30年間分も進むでしょう。しかし、これまでの15年間は、戦争を転機とした革新期であった。生産の面でも生活の上にも急激な革新が起こった。

だから、案外新しいものが生まれかつ育ったけれど、ある程度落ち着いてくると、急な発展はないのでないか。テレビは大きな新製品でしたが、これに匹敵するようなニュー・フェイスが、今後10年間に現われるかどうか疑問に思っています。

――10年の間にカラーテレビ時代がこないでしょうか。

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