「大切なのは、生まれじゃないの。心なの」 名店の味を継承…武蔵小山《人気焼肉屋》の"意外な誕生秘話" バングラデシュ出身店主の半生とは

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「彼は日本語を読むのが得意じゃないので、私がネットで探して、よさそうな物件があったら2人で内見に行きました。たくさん見に行ったんですが、私たちも慣れてないし、東京ってどこもすぐに貸し先が決まるから、なかなか見つけられなくて。1年半ぐらい探してたんじゃないかな」(沙智さん)

武蔵小山の元名店を居抜きで借りる

沙智さんがネットで見つけた武蔵小山の物件も、一度内見に出向いた。その時、気になったのは人通りの少なさ。武蔵小山駅から徒歩3分ほどにもかかわらず、日中、ほとんど人が歩いていない。それで逡巡していたところ、先を越されてしまった。

ところが、なにかしらの理由で立候補者が審査に落ちたようで、再び募集がスタート。バブさん夫婦がほかの物件を見て回っている間に少しずつ賃料が下がっていき、半年もすると手ごろな価格になっていた。

意を決して、二度目の内見。その日、バブさんは空き物件の隣で営業しているピザ店を訪ねて、スタッフに尋ねた。

「すいません、隣の物件を見に来たんですけど、前の店はどんな感じでしたか?」

すると、意外な答えが返ってきた。

「有名なお店ですよ。毎日満席でした」

えっ!? この一言で一気に心が動いたバブさんは、不動産会社に「前のオーナーに会わせてほしい」と頼み込んだ。そうして後日、顔を合わせたのが、武蔵小山で地元民に愛される名店として知られていた「ホルモン道場 みやこや」のオーナー、後藤さんだ。

高齢を理由に引退した後藤さんは気さくな人柄で、すぐに意気投合。バブさんは元「みやこや」の物件を借りることに決めた。

「後藤さん、すごくいい人。めちゃ優しい」

契約を終えると、後藤さんはバブさんに肉の仕入れ先を紹介したり、秘伝のタレ、オリジナルで作っていたにんにく味噌、バブさんが宗教上の理由で食べない豚肉を使った料理のレシピなどを伝授。図らずも、名店「みやこや」の味を受け継ぐことになった。

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