「大切なのは、生まれじゃないの。心なの」 名店の味を継承…武蔵小山《人気焼肉屋》の"意外な誕生秘話" バングラデシュ出身店主の半生とは

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好奇心旺盛なバブさんは、日本の友人たちと食事に行くと、イスラム教で禁じられている豚肉以外はなんでもチャレンジした。

この時期に出会ったのが、焼肉だ。バングラデシュはイスラム教文化なので豚は食べないが、牛の肉を焼いて食べる習慣はある。しかし、日本の焼肉とはまったくの別物だという。

「最初は焼き方もわかんないから、友達が焼いてくれて。すっごいおいしかった! 生ユッケにもビックリしたね。日本で食べて一番おいしかったのが、焼肉。次が寿司。それは今も変わりません。焼肉は今も週に3回ぐらい自分の店で食べてるよ(笑)」

焼肉で独立を目指す

向ヶ丘遊園のカレー店で3年働いた後、「ほかのこともやりたいから」と、知り合いが働いていた八王子のカレー店に移った。そこで「やっぱりもっと稼ぎたい」と思い、半年後には群馬県太田市にある自動車工場へ。

しかし、都会生活に慣れたバブさんに太田市での生活は刺激に乏しく、1年働いてから東京に戻り、また飲食店で働き始めた。もともと商売が好きで、大学でビジネスを学んだバブさんは、この頃、「自分で焼肉店をやりたい」という夢を抱く。

「カレーはおいしいけど、安いからあまりお金にならない。焼肉は高いから商売にしやすいし、日本人みんな好きだし、自分で毎日食べてもおいしいからね」

この夢を実現させるために、いくつかの焼肉店で働いた。お店のオペレーションや仕入れ、仕込み、味付け、サービスなどを学びながら、どんなお店がお客さんに支持されているのかを確かめた。カフェのようなカジュアルなスタイルで知られる武蔵小山の有名店「Beef Factory73」でも勤めたそうだ。

「Beef Factory73は、こんなにお客さん来る!?ってぐらい混んでいて、忙しいお店でした。お肉がおいしいのとサービスがすごかったですね。ほかのお店もぜんぶ勉強になりました」

独立を目指して本格的に動き始めたのは、17年。その2年前に結婚した沙智さんと二人三脚で居抜きの物件を探した。

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