なぜトランプ大統領を議会は罷免できないのか、民主的な憲法が独裁者を生み出すという盲点、民主制が持つ大きな欠陥が今、世界を覆っている
実はこれと同じ問題に、海の向こうのアメリカも遭遇している。もちろん非理性的国家への脅威ではなく、非理性的大統領への脅威である。大統領がもし非理性的な狂人であったらどうなるのかという問題だ。
この種の議論は、けっして今に始まったものではない。すでにフランス革命当初から出現している。憲法の為政者の暴走を食い止める条文をつくっても、為政者はそれを踏みつぶし、独裁への道を歩むという問題だ。
ロベスピエール、大ナポレオン、小ナポレオン、いずれも共和制憲法の中から生まれた。大統領の執行権力を強化すれば独裁が進み、逆にそれを弱めれば、国家自体の衰退を生み出す。
議会と執行権力との対立という永遠の問題
民主主義国家は、今もこの問題に悩まされている。それならば権力を無化するため執行権力を廃止するようなアナーキーな国家を作ればいいが、そうなると秩序を保つ者がいなくなる。逆に完全に議会のロボットとなる大統領を選出すれば、議会が大統領となるが、執行権は混迷に陥る。だから議会は執行権力を担う大統領に、権力を移譲しなければならないのである。
議会と執行権力との対立の問題は、永遠の問題といえる。今アメリカで起こっている問題は、議会が憲法の規定によって大統領の弾劾と追放を可能にしえるのかどうかという問題である。
アメリカの憲法の規定によると、大統領の執行権力は制限されている。つい最近もアメリカの最高裁判所による判決が出た。関税は議会が決定するのであり、大統領にその権限はないとされる。これはアメリカ憲法の第1条8節1項にある。
また戦争遂行に関しても、その決定は大統領ではなく、議会にあることが第1条8節11項に規定されている。




















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