なぜトランプ大統領を議会は罷免できないのか、民主的な憲法が独裁者を生み出すという盲点、民主制が持つ大きな欠陥が今、世界を覆っている
「リアリスト」(現実主義者)という言葉があるが、彼はこの本の中で自らを徹底したリアリストであると認めている。リアリストとは、今おかれている現状からものごとを判断する人物のことだ。
石破首相が防衛庁長官であった2002年から04年といえば、イラク戦争、北朝鮮のミサイル実験の頃であった。巷では、アメリカの単独支配が話題であった。
アメリカの一極集中に抵抗する勢力は、北朝鮮をはじめとしてテロ国家と名指しされていた。話し合いの余地のない国際法を無視するテロ国家には、抑止力は効かない。だから武力行使もやむをえないという世論が盛り上がったのも当然であった。
法治国家の弱点に気づいた政治家
イラクやイラン、そして北朝鮮がテロ国家ならば、この議論には一理ある。テロ国家に対して民主主義による抑制が働けばいいが、そうでない以上、武力衝突はありうるのだと。

“テロ国家”北朝鮮の動向は気になる。北朝鮮がミサイル攻撃をすれば、防御の意味で相手のミサイル基地を先制攻撃する必要も生じてくる(『国防』159ページ)。「攻撃は最大の防御なり」のたとえで、こうして限定付きながら先制攻撃の必要性が出てくる。当時は中国やロシアの脅威は今ほど叫ばれてはいなかった。しかし、今は2つの国もこの中に入っているといえる。
当時の石破氏は、ある意味、法治国家の弱点に気づいたといえる。それは、どんな国際法もそれを順守するものの存在を前提としているが、そうしたものがいない場合どうなるのかという、ある種の盲点に気づいたのだ。
今回2月に行われた衆議院総選挙で、国民による高市政権支持も、まさに現実的脅威という不安によって生み出されたものだともいえる。だから、周りの非理性的だと喧伝される国家への強気の姿勢を示す人物と党に投票が集中したのは、当然だったかもしれない。




















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