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〈広告大手の新局面〉ADK、「ベイン→韓国ゲーム大手」へ電撃売却の舞台裏…大山社長「巨大企業にはない武器で、競合を追従しない"圧倒的3位"へ」

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――一定期間でのリターンを追求するファンド側と、意見が一致しない場面もあったのでは。

株主がファンドである以上、再上場や売却を見据えて、毎年の営業利益目標は増益で設定される。例えば「このお金の回収は3年後です」などと、われわれが少し長期目線の投資を示せば、より早期の回収を目指すファンドとしては「ちょっと待った」と言わざるをえない。上場会社などと比べると、こうした側面でよし悪しがあった。

売却先となったクラフトンはまだ若く、成長志向の事業会社だ。創業者兼チェアマンのチャン・ビョンギュ氏と何度か話したが、非常にわれわれや日本をリスペクトしてくれている。再上場が少し先になる可能性もある中で、今後は先行投資の話もできるので、前向きにとらえている。

大山俊哉(おおやま・としや)/1959年生まれ。 84年早稲田大学大学院修了、電通(現・電通グループ)入社。2014年執行役員。16年電通デジタル設立、CEO(最高経営責任者)に就任。19年ADKホールディングス執行役員グループCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)などを経て、22年からADKホールディングス社長(撮影:尾形文繁)

――具体的にどのような先行投資が必要だったのでしょうか?

まず広告・マーケティングでいうと、AIを含めたデータ基盤やDXだ。こういったシステム開発に要する資金は、電通・博報堂といった大手から当社まで、さほど絶対額としては変わらない。そのため売上総利益に占める投資の割合が重くなり、なかなか難しかった。

もう1つは、IP系だ。(傘下のアニメスタジオである)スタジオKAIの制作体制を拡充しなければならなかった。また、IP系の投資を今までより大きな規模で実行しようとすると、ベイン側の制限も一定程度あった。

クラフトンとは目指す方向が似ていた

――ベインによる売却先をめぐってさまざまな観測が浮上してきた中で、海外ゲーム会社という結果には意外感がありました。

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